2024年7月
【水曜】皮膚科におけるレーザー治療
皮膚科のレーザー治療は、単なる美容を目的とした行為は保険診療の適応にはなりません。しかし、保険診療によるレーザー治療が可能な皮膚疾患もあります。
皮膚の赤アザとして、単純性血管腫、苺状血管腫、毛細血管拡張症が保険でのレーザー治療が可能です。また青アザとして、太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着症が保険でのレーザー治療が可能です。茶アザである扁平母斑は一部のレーザーのみ、保険での治療が可能です。
保険診療が可能な疾患では、自治体の子ども医療費助成制度も使えます。ただし、自治体によって対象年齢や自己負担額は異なります。どのアザ治療のレーザー治療も年齢制限などはありませんが、小児と成人では皮膚の性質が異なるため、治療の有効性が違う場合があります。
レーザー光線は放射能が出るような放射線ではないため、全身への副作用はありません。ただし、レーザー治療によって局所に熱エネルギーが発生するため、局所的な副作用が生じ、色素沈着や色素脱失が生じる可能性があります。
治療効果などの観点から、出生時または乳幼児期からみられるアザについては、できるだけ早期よりレーザー治療を開始することをお勧めします。レーザー治療についての治療回数や治療期間は、疾患や疾患の部位、疾患の大きさなどにもよって変わります。まずはアザの種類について診断を受けてからレーザー治療の専門医にご相談ください。
レーザー治療に関する専門医は日本皮膚科学会ホームページの皮膚科専門医MAPの美容皮膚科・レーザー指導専門医か、日本レーザー医学会ホームページの個人資格一覧から指導医やレーザー専門医でお調べいただけます。シミやホクロに対するレーザー治療やレーザー脱毛は美容目的となるため、自費診療となります。自費診療では、レーザーの種類や治療回数などによって費用も変わるため、自費診療を行っている医療機関でご相談ください。レーザー治療は脱毛を含め医療行為です。自費診療であっても必ず医療機関で施術を受けるようにしてください。