2024年8月
【月曜】円錐角膜
円錐角膜は角膜が徐々に薄くなり、中央部が円錐状に突出してくる病気です。 そのため、視力の低下や歪み、視力矯正が困難になることが特徴です。 通常10代から20代にかけて発症し、進行するにつれて視力が著しく低下します。
円錐角膜の初期症状は軽度の視力低下、目のかすみ、ものが二重・三重に見えるなどです。進行すると、眼鏡やコンタクトレンズでも視力が出なくなるため、視力に大きな影響を与えます。また、角膜の厚さを測定するパキメトリーという検査や角膜の後面を調べる角膜内皮細胞検査を行うこともあります。
円錐角膜の原因はわかっていませんが、遺伝的要因と環境的要因の両方が関与していると考えられています。アレルギー性疾患や慢性的に目をこすることがリスクを大きくする可能性があります。
治療法は進行度に応じて異なります。初期段階ではハードコンタクトレンズや特殊なソフトコンタクトレンズを用いて視力矯正を行います。これにより角膜の不規則な形状を補正し、視力を改善することができます。
さらに進行したケースでは、角膜の強度を高めるために角膜クロスリンキングという手術を行うことがあります。角膜にビタミンB2を点眼しながら紫外線を照射する方法です。これにより、円錐角膜の進行を抑えることができます。
重度の円錐角膜の場合、角膜移植が必要になります。移植により、視力は大幅な改善が期待されますが、移植後もコンタクトレンズの使用が必要になる場合もあります。
円錐角膜は視力に大きな影響を与えるため、日常生活において様々な困難を引き起こします。視力低下により運転や読書、細かい作業が難しくなることがあります。また、視力の変化が頻繁に起こるため、定期的な視力検査と適切な矯正が必要です。そのためには、眼科医との密接な連携が重要であり、早期発見と適切な治療により視力の低下を最小限に抑え、生活の質を少しでも高めることが大切です。