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健康情報テレホンサービス

2024年9月

【月曜】常位胎盤早期剥離

 ほとんどの妊娠の場合、胎盤は子宮内の最も奥に付着しており、胎児が娩出されて後に子宮壁から剥離し娩出されます。

 常位胎盤早期剥離の場合は、胎盤の付着している場所は異常がありませんが、胎児が娩出される前に胎盤の一部が子宮壁から剥離するという異常分娩です。

 胎盤が剥離されることによって、子宮壁と胎盤の間に出血が起こり血腫が発生します。

 そのため、多くの場合急に腹痛が起こり、腹壁が硬くなり、更にひどくなれば苦悶状態となり血圧が下降し、ショック状態に陥ります。

 膣の方からの外出血はほとんどなく、子宮壁からの出血は子宮内に貯まっていきます。

 発症から時間が経過すると、胎盤が子宮壁から剥離したため、母体から胎児に酸素が供給されなくなり、胎児の心臓の音は聞こえなくなります。すなわち、胎内死亡です。

 常位胎盤早期剥離の主な原因は、妊娠性高血圧症候群、腹部の打撲などが上げられますが、原因不明のものも少なくありません。

 この疾患の多くは妊娠32週以降に発症していますが、発症が疑われたら超音波検査で胎児心拍動を確認し、胎盤と子宮壁の間に血腫があるかどうか調べます。

 診断が確定したら、母体の安全を確保するために輸液等を行い、できるだけ早く胎児の娩出を試みます。

 しかしこの疾患では胎児の予後は極めて悪いと言われております。

 妊婦にとって恐ろしいのは、DICという血管内で血が固まり血液が止まらなくなる状態になることです。

 大量の輸血や止血剤等を使用しても重症化して母子ともに死に至る可能性も少なくありません。

 妊婦健診をきちんと受け血圧等を管理し、腹部の打撲等が起こらないように注意することが大切です。

 しかし、この疾患は突然発症するので、腹痛があればひどくならないうちに、緊急受診することも忘れてはなりません。

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