2024年12月
【水曜】スマホ首
スマホ首はストレートネックとも言い、よく見られる姿勢の問題で、首の自然なカーブが減少し、首の骨が真っ直ぐになってしまう状態を指します。
首の骨は7つの骨からできており、通常は30度~40度の緩やかな前に反ったカーブを描いており、頭部を安定して支える役割を果たしています。しかし、現代社会の生活習慣の変化により、このカーブが崩れ、首がまっすぐになることがあります。特に、日本ではスマートフォンの普及率が9割以上に達しており、長時間使用することで、どうしても前かがみになりがちです。この姿勢が習慣化すると、頭が前に突き出てしまい、頭や肩、背中に負担がかかり、さまざまな不快な症状を引き起こすことがあります。
症状としては、首や肩のこり、頭痛、めまい、疲労感などがよく見られます。特に長時間のデスクワークやスマートフォンの使用後に、首や肩が重く感じることがあります。さらに、重度の場合、神経を圧迫して手や腕にしびれが生じることや、気分が落ち込むこともあります。これらの症状は、日常生活の質を大きく低下させます。放置すると、慢性的な痛みや姿勢の悪化を引き起こす可能性があるため、早めのケアが必要です。
予防と改善には、まず姿勢を意識することが大切です。スマートフォンやパソコンを使用する際は、画面を目の高さに合わせ、首をまっすぐ保つことを心がけましょう。頭の重さは脳を含めて約6kgですが、首が真っ直ぐになると、最大30kg近くの負担が、頭から肩甲骨、背骨をつなぐ首を伸ばす筋肉や骨にかかります。したがって、定期的に肩甲骨の動きに注目した運動とストレッチを行って筋肉の緊張を緩和することが効果的です。
両肩にある肩甲骨は6方向に動かすことができます。肩をすくめる「挙上」、引き下げる「下制」、引き寄せる「内転」、間が広がる「外転」、バンザイをする「上方回旋」、背中に手を回す「下方内旋」です。これらの動きを意識した運動とストレッチを行い、ストレートネックの予防に努めましょう。また、症状が続く場合は、自己判断で放置せず、かかりつけ医に早期に相談するようにしましょう。