2025年2月
【水曜】美容外科と形成外科の違い
美容外科は形成外科の中の一分野で、どちらも外見が美しくなるように治療するという点では同じです。
形成外科では、見た目が問題となる顔などのケガや骨折、皮膚腫瘍、外見の先天的な異常などを公的な医療保険で治療します。これに対して美容外科は、医学的には正常と考えられる外見をさらに美しくする医療で、保険が効かない自費診療となります。二重マブタや鼻を高くする手術、豊胸手術、脂肪吸引、シワやシミの治療、むだ毛の脱毛などが一般的な治療です。
これらの美容外科の治療には形成外科の技術が不可欠であり、美容外科学会に入会するには形成外科の認定専門医の資格が必要です。
しかし、認定専門医の資格がなくても美容外科と掲げられるのが現状です。担当する医師が傷をきれいに治すような形成外科の技術に乏しいと、望んだ通りの治療結果が得られないこともあります。
美容外科での治療を希望する場合は、形成外科専門医の資格を持った医師を選ぶことをおすすめします。できればかかりつけの医師に相談して、自分が治療を受けようとしている美容外科医が信頼できる経歴の医師かどうか、助言を受けるのも良いでしょう。
中には、広告宣伝に謳われた料金より異常に高額な治療費を要求される、法外な料金のローンを組まされる、手術の結果が手術前の説明と大きく違う、治療後は全く対応してもらえないなどのトラブルもあります。また近年、医療とは全く無関係な資本の参入も見受けられます。
不幸にして、問題のある美容外科医の治療を受けて後遺症が残った場合は、美容外科を転々と受診するのではなく、ぜひとも形成外科を受診して適切な治療を受けてください。