2025年2月
【火曜】かぜ
かぜとは、鼻から喉までの上気道に急性の炎症がおこる疾患で、主な症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの鼻症状、のどの痛みなどの喉症状、発熱、頭痛、全身のだるさなどです。下気道まで炎症が広がると、咳や痰などの症状も出てきます。
かぜの原因は80%~90%がウイルスで、ライノウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどが主な原因となります。ウイルス以外では、一般細菌、肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミドフィラなど特殊な細菌も原因になります。
「かぜは万病のもと」という言葉は、かぜをこじらせて肺炎などの合併症を起こすという意味だけでなく、いろいろな重症疾患の初期症状がかぜと紛らわしいという事実も含んでいるという指摘もあります。無理せず早めになおしましょう。
かぜの治療は、ウイルス性のかぜであれば、安静にして水分や栄養を補給することで自然に治癒します。かぜ治療の4原則は、免疫力を高めるための方法です。
まず第一は、「安静」。つまり睡眠・休養をしっかりとることです。かぜをひくと、からだの免疫はウイルスを駆除するために炎症をひきおこしたり、体温を上げたりするなど活発に働きます。これによって体力も消耗するため、かぜをひいたら十分な睡眠と休養をとって免疫の働きを助けることが大切です。
第二は、「保温」。つまり体を温めることです。熱に弱いウイルスの増殖をおさえるために、免疫は体温を上昇させます。とくに寒気・悪寒など、体温上昇のサインがあるときには、部屋や衣服を暖かくして体を温めましょう。乾燥する季節には、暖房に合わせて適度に加湿も行いましょう。熱が上がりきって汗をかきはじめたら衣服を薄くしたり、汗で冷えないよう衣服を交換しましょう。
第三は、「水分」。発熱があると発汗や体の水分の蒸発の増加、食欲不振により水分が不足します。こまめに少しずつ、積極的に水分を摂ります。経口補水液やスポーツドリンク、野菜スープなどで電解質の補給も大切です。
第四は、「栄養」。糖質を中心としたビタミン豊富な食事や、水分が多く消化の良い、薄味でさっぱりした食べやすい料理がおすすめです。治りが悪い時は、医療機関を受診しましょう。