2025年3月
【金土日】脳卒中の予防
「脳卒中」という病気を聞いたことがある方は多いと思いますが、どのようなイメージでしょうか? 突然発症する怖い脳の病気というものでしょうか?
脳卒中は血管が原因で突然に脳の障害を生じる病気で、簡単に分けると「出血」と「血管閉塞」が原因です。一度発症してしまうと後遺症を残すことも多く、病気を予防することが大変重要です。
それではどのようにして防げば良いのかを、今回一緒に勉強しましょう。
脳に栄養を送り込む動脈に病気を生じることが原因ですので、動脈の障害を予防しなければなりません。皆さん、定期的な健康診断は受けていますか? 健康診断で検査、指導される項目の多くは、動脈の障害を防ぐことに繋がっています。高血圧、糖尿病、高脂血症を指摘された場合にはかならず医療機関を受診しましょう。特に高血圧をしっかりと治療することが脳卒中予防に大変重要であると言われるようになりました。
病気の管理というよりも、病気になってしまう前の対応として生活習慣の改善に取り組むことが、安全かつ有効な手段です。塩分や脂肪を控える、禁煙、運動習慣の継続、太らない、節度を守った飲酒などです。決して特別な内容ではありませんが、これらの生活習慣改善のための取り組みにより脳卒中を予防するだけでなく、健康寿命を延ばすことができます。
心房細動という不整脈は、放っておくと脳卒中の原因となってしまう病気です。これは加齢とともに頻度が増し、80歳以上では2%~4%の方に発症します。最近の治療の進歩により、飲み薬だけでなく、血管内カテーテル治療により治すこともできます。心房細動と言われるか、どきどきするなど不整脈が気になる場合には、早めにお近くの循環器内科を受診しましょう。
脳卒中に対する治療も進歩しており、薬による治療、外科手術に加え、カテーテルによる血管内治療も盛んに行われるようになっています。発症早期に診断され、治療を受けることができれば、後遺症があらわれないこともあります。手足のしびれ、うまくしゃべれない、歩けない、見え方がおかしい、ひどい頭痛がする、などの症状があれば、ためらわずに医療機関を受診することが大切です。