兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2025年3月

【火曜】ブラキシズム(歯ぎしりなど)

 ブラキシズムとは、お口やその周囲の器官に見られる習慣的な癖の総称で、非常に多くの人に見られます。

 歯ぎしりや食いしばりはよく知られていますが、上下歯列接触癖といって、歯をかみしめていなくても、安静時に上下の歯が接触しているだけで問題が起こることもあるので注意が必要です。

 ブラキシズムを継続的にしていると、歯や歯茎、その周囲の組織に悪影響を及ぼすことがあります。

 具体的には、歯がすり減ったり、折れてしまったり、知覚過敏の原因となったり、歯の詰め物やかぶせものがとれたり割れたりすることがあります。自分自身のかみ合わせの力によって、歯の周りの組織や顎に痛みが起きたり、口が開きにくくなったりすることもあります。

 また、歯列矯正中の人にブラキシズムがあると、歯がきちんと動かなかったり装置が壊れたりなど、様々な問題が起こり矯正治療がうまくいかないことがあります。

 現在、特に症状のない人でも、ブラキシズムが続いていれば、今後、このような症状が起こるリスクがあるため、なるべく早めにやめることができるよう、とりくむことをおすすめします。

 ブラキシズムの原因として、ストレスや睡眠障害、性格、遺伝、飲酒、喫煙、特定の疾患などさまざまな要因が考えられています。

 ブラキシズムの治療には、マウスピース(ナイトガード)の装着、ボトックス注射、咬筋のマッサージ、生活習慣の改善などがあります。最も大切なことは、ブラキシズムは通常、無意識にしてしまうものですが、歯をかみあわせていることに、まず本人が「気づく」ことです。

 気づいたうえで、歯が長期間正しい位置を保つことができるような訓練が大切です。具体的な訓練としておもに3つあります。いずれも安静時に意識してください。

①唇はリラックスして軽く閉じ、鼻で呼吸する。

②舌は、口蓋に軽く触れる。

③上下の歯はわずかに離れていて、物を飲み込む瞬間のみ接触する。

 この3点を普段の生活の中で意識できるような工夫を行うと、ブラキシズムを減らすことに非常に役立ちます。

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