2025年4月
【火曜】歯のアマルガムが気になる方へ
アマルガムとは、歯の治療に用いる材料の一種で、詰め物に使われています。アマルガムの性質上、歯全体を覆う被せ物には使用できないため、歯の噛み合わせの部分などの一部だけを詰めるものに使われます。
いっけん、一般的な銀歯と同じように見えますが、実は成分が大きく違います。
普通の銀歯の治療と違い、その日のうちに治療が終えられて比較的低コストで行えるため、150年以上に渡り使用されてきましたが、近年では安全性が疑問視されるようになりました。
アマルガムには様々な金属が配合されているのですが、約50%が水銀です。お口を満たしている唾液によって、アマルガムが酸化し、腐食していきます。
その結果、ごく微量ではありますが、日々水銀が放出されているとも言われています。
近年、水銀による健康被害がメディアで取り上げられるようになり、その水銀が入っているアマルガムの安全性が疑問視されることとなったのです。
次に見た目の問題です。アマルガムは審美的にも劣る点があります。
同じ金属で、保険内で使用される金銀パラジウム合金、いわゆる銀歯があります。同じ金属で見分けがつきにくいですが、実はアマルガムの方が銀歯よりも黒っぽい色をしています。これは、酸化が原因です。
この黒っぽい色は、実は自分の歯にも影響を及ぼしていることが多く、アマルガムを外してみると、歯が黒くなっていたということはよくあります。
これらのことにより、2016年まではアマルガムも保険適応でしたが、それ以降は保険診療から除外されました。近年ではアマルガムではなく、コンポジットレジンというプラスチック材料を使用することが一般的になっています。
コンポジットレジンは1日で治療を終えられる保険適応の材料です。最近はご自身のアマルガムの健康被害や黒い色が気になり、詰め替える方も多くなっています。
もし、少しでも気になられる方は、歯科医院で一度相談してみてはいかがでしょうか?