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歯科
歯科保険請求QandA(117)
〈前歯部CAD/CAM冠〉
Q 9月から前歯部CAD/CAM冠が新たに保険収載されたのか。
A その通りです。前歯部用のCAD/CAM材料が、通常の点数改定とは別に、企業からの提案で新たに認可されました。10月から金パラが引き下げになり逆ざや状態が拡大するため期待の声がある一方で、補管の対象となるため3番が長期的に維持可能かなど不安な声もあります。
詳細は以下の通りです。
施設基準の再度の届出は不要
8月19日の中医協で、前歯部の「CAD/CAM冠用材料(Ⅳ)」保険適用が承認された。9月1日現在ではクラレノリタケデンタル㈱の「カタナアベンシア N」のみが対象。今回適応範囲が拡大されたのは、上下顎の前歯(中切歯、側切歯、犬歯)。
施設基準の届出について、CAD/CAM冠の届出をすでにされている場合は再度の届出は不要。補管の対象。歯冠形成・印象等の点数は臼歯部CAD/CAM冠と同じ。レセプトには、「歯冠修復及び欠損補綴」の「その他」欄に「歯CAD(Ⅳ)1,776点×1」などと記載。
〈参考〉
※(1) CAD/CAM冠用材料(Ⅲ)を小臼歯に使用した場合は、CAD/CAM冠用材料(Ⅱ)で算定
※(2) 内面処理加算1の45点は、歯質に対する接着力を向上させるために行うアルミナ・サンドブラスト処理およびシランカップリング処理等(保険医療材料等の費用含む)
※(3) 製品に付属している使用した材料の名称およびロット番号等を記載した文書(シール等)を保存して管理(カルテに貼付するなど)
前歯CAD/CAM冠用材料の定義に審美的要素が設けられ、色調とTeCの算定も可能に
CAD/CAM冠用材料(Ⅳ)の新たに追加された機能区分の定義は、ブロックサイズ〔歯冠長に相当する一辺の長さが14㎜以上〕、粒子径〔シリカ微粉末とそれを除いた無機質フィラーの一次粒子径の最大径が5㎛以下〕、積層構造〔エナメル色(切縁部色)とデンティン色(歯頸部色)、およびこれらの移行色(中間色)を含む複数の色調を積層(3層以上)した構造〕の3点。
◇歯冠補綴時色調採得検査(1歯につき10点)
前歯にCAD/CAM冠を製作する場合で、CAD/CAM冠用材料(Ⅳ)の色調を決定することを目的として、色調見本とともに当該歯冠補綴を行う部位の口腔内写真を撮影した場合に1歯につき10点を算定する。 ◇テンポラリークラウン(1歯につき1回に限り34点)
前歯に対し、CAD/CAM冠の歯冠形成を算定した歯、またはCAD/CAM冠の歯冠形成を行うことを予定している歯に、テンポラリークラウンを用いた場合は、当該歯に係る処置等を開始した日から当該補綴物を装着するまでの期間に、1歯につき1回に限り34点を算定する。
2020.09.15