【会員医療機関の皆さまへ】
この内容は掲載日時点のものです。その後の疑義解釈通知や点数改定等により変更している場合もありますので、最新の内容は協会までお問い合わせください。
歯科
歯科保険請求QandA(147)
〈支払基金HP「審査情報提供事例」より抜粋〉
【抜歯当日の歯科衛生実地指導料(実地指)】
抜歯を行った当日であっても、他部位において歯科疾患がある時は、15分以上の指導は可能であり、実地指の通知「歯科疾患に罹患している患者であって、歯科衛生士による実地指導が必要なものに対して、主治の歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、15分以上実施した場合に算定」に該当すると考えられることから、当該指導料の算定は原則として認められる。
【同一部位への6カ月以内の再度のう蝕歯即時充填形成(充形)】
充形後、同一部位に新たな疾患が生じ初診により受診した場合に、再度の充形を行うことはあり得ることから、再度初診となった場合、前回充填した同一部位に対する6カ月以内の再度の充形の算定は原則として認められる。
留意事項:再初診の算定要件に留意するとともに、6カ月以内の再度の充形の算定が傾向的に見られる場合にあっては、医療機関に対する照会が必要であると思われる。
【「残根(C4)」病名に対する難抜歯加算】
原則として、「残根(C4)」病名に対する難抜歯加算の算定を認める。抜歯手術の難抜歯加算の要件である骨の開さくまたは歯根分離術等の必要性は、歯根の形態(歯根肥大、歯根彎曲など)や骨の癒着の有無だけではなく、う蝕の歯質への進行状態によっても影響を受けるものであり、特に「残根(4)」病名に対する抜歯の際は、抜歯鉗子や挺子の使用が困難となり、骨の開さくなどが必要となる場合がある。
【「智歯周囲炎(Perico)」病名のみの埋伏歯抜歯手術は不可】
「智歯周囲炎(Perico)」病名のみでは、埋伏歯抜歯手術の算定要件に合致しないことから、当該手術の算定は原則として認められない。〈参考〉埋伏歯:骨性の完全埋伏歯(過剰歯含む)または歯冠部が3分の2以上骨性埋伏の水平埋伏智歯。
【「疑い」の病名に対する充填は不可】
充填はう蝕などによって歯の実質欠損が生じた場合に行われる治療であり、算定にあたっては、歯の実質欠損を示す傷病名の記載が適切であることから、「疑い」の病名で充填の算定は原則として認められない。
【「口腔褥瘡性潰瘍(Dul)」病名の有床義歯修理は不可】
「口腔褥瘡性潰瘍(Dul)」は、有床義歯によって顎堤粘膜に褥瘡が生じた状態であり、有床義歯修理の算定にあたっては、修理を必要とする傷病名の記載が適切であることから、当該病名で有床義歯修理の算定は原則として認められない。
〈編注〉Dul病名を付けて認められる処置はありません。
【抜歯手術前の口腔内消炎手術】
口腔内消炎手術を行い急性症状を緩解させた後に抜歯を行う場合や、歯の保存を図る目的で口腔内消炎手術を行った後にやむを得ず抜歯に至る場合があることから、抜歯手術前の口腔内消炎手術の算定は原則として認められる。
留意事項:抜歯前の口腔内消炎手術の算定が傾向的に見られる場合にあっては、医療機関に対する照会が必要であると思われる。
2023.11.15