審査対策部だより
基金・国保 2月診療分から突合・縦覧点検~「病名漏れ」などに十分注意を~
2012.03.05
開始時期が延期されていた「電子レセプト」の突合点検・縦覧点検が、支払基金・国保連合会とも2月診療分(3月審査分)から始められる。
突合点検は、医療機関が提出したレセプトと、調剤薬局が提出したレセプトを突合して点検することである。これまでは、調剤薬局から提出されたレセプトが1,500点(薬剤料と調剤薬局の技術料の合計点数) 以上の場合のみ、保険者の申し出によって審査委員会で点検されていたが、今後は全レセプトを対象に原審査(1次審査)で点検されることになる。
このため、従来は処方せんで投与した薬剤の適応病名がレセプトに記載されていない場合でも査定されていないケースも少なからずあったと思われるが、今後は「病名漏れ」の場合は全て査定対象となるため、「病名漏れ」や「投薬禁忌」の薬剤には十分に留意する必要がある。
なお、国保では、15歳未満の小児、がん・難病の診断名のある医科レセプトは対象から除かれている。
縦覧(横覧)点検は、同一患者の複数月のレセプトを並べて、「○カ月に1回」などの算定制限がある項目や「特定の診療行為の連月算定」などについて、また同一患者の同一月の入院と入院外で「月1回とされている項目の算定」などが点検される。
基金では、3月審査分(2月診療分)では1月診療分と縦覧、以後1カ月分ずつ蓄積していき、8月審査分(7月診療分)以後は過去6カ月分のレセプトと縦覧点検が行われる。
国保では、すでに昨年10月からデータを蓄積しており、3月審査分では過去6カ月分のレセプトと縦覧点検され、最大1年分の過去レセプトが蓄積されることになっている。
さらに、基金では縦覧点検で過去のレセプトに疑義が生じた場合は、保険者または医療機関に連絡するとしており、基金からの連絡で過去に遡って保険者からの異議申し立てが行われる可能性があり、大きな問題である。