審査対策部だより
FT3(遊離トリヨードサイロニン)の減点事例
2014.12.05
〈患者〉
社保・女性、34歳
〈診療年月〉
2013年11月
〈傷病名ならびに診療開始月〉
甲状腺乳頭癌の術後(主)2009年12月22日、術後甲状腺機能低下症 2009年12月22日
〈実日数〉
1日
〈主な請求内容〉
(12)再診料・明細書発行体制等加算 70×1
(13)特定疾患療養管理料 225×1
(60)内分泌学的検査3~5項目FT4、サイログロブリン、FT3 410×1
TSH 115×1
採血料 16×1
生化学的検査(Ⅱ)判断料 144×1
〈減点内容〉
支払基金より、B項(過剰・重複と認められるもの)としてFT3が査定。
FT4、サイログロブリン、FT3 410×1 → FT4、サイログロブリン 280×1
〈主治医コメント〉
年に1、2回の経過観察のため、FT4、サイログロブリン、FT3を施行した。
〈協会コメント〉
甲状腺機能検査については、「甲状腺機能低下症: 診療開始月においては、T3+T4+TSHまたはFT3+FT4+TSHの組み合わせ検査は認められますが、治療開始後または経過観察中で甲状腺機能が落ち着いた状態にあっては、TSH検査が敏感であることの理由により、TSH+〔FT3、T3、FT4、T4のうち何れか一つ(できればFT4またはT4)〕の検査で十分と考えられます」(兵庫県医師会発行『保険診療のてびき』)とされています。
従って、一般的に診療開始月以外では、FT3とFT4を併施することは、保険診療上は必要性が低いとして査定されたものとも考えられます。