審査対策部だより
2015(平成27)年度の指導および監査の実施状況(兵庫県)
2017.12.05
「再指導」が増加傾向。通知が届いたら協会へ相談を
協会は近畿厚生局兵庫事務所より「2015(平成27)年度保険医療機関等の指導及び監査の実施状況報告書(兵庫県)」の開示を受けた。主な特徴点は下記のとおり。
個別指導は、指導後の措置のうち「再指導」とされたものが、病院10件のうち1件、医科診療所41件のうち14件、歯科23件のうち12件と、診療所と歯科で「再指導」の割合が高くなっている。特に歯科では半数以上が「再指導」とされている。また、「要監査」とされたものが、医科診療所で1件あった。
新規個別指導は、指導後の措置のうち「再指導」とされたものが、病院4件のうち4件、診療所121 件のうち7件、歯科61 件のうち6件とされている。返還については、病院で6件106万2,704円、診療所137件282万8,503円、歯科71件36万4,624円と依然として新規個別指導でも返還が求められている。
監査は、医科診療所1件(保険医1人)、歯科4件(保険医19人)で実施されている。歯科の保険医数が多いのは、訪問診療専門の医療法人グループによる歯科訪問診療の不正請求によるものと考えられる。
施設基準調査は病院のみ63件で実施され、返還は13件4億3,588万9,298円となっており、前年比で約1億円増加している。
上記のように個別指導では「再指導」が増加傾向にあり、新規個別指導でも一定の割合で「再指導」とされている。また、病院の施設基準調査は60件前後で実施され、入院基本料の看護要員を満たさない場合などでは多額の返還金を求められている。なお、2017年度の適時調査の実施予定件数は118件と、例年の倍近くとなっている(8月25日付「審査対策部だより」参照)。
協会では指導の改善を求めているが、日ごろからのカルテ記載、ルールの学習も不可欠。個別指導等の実施通知が届いたらぜひ協会に相談していただきたい。
〈個別指導〉
○実施機関数
病院10、診療所41、歯科23
○指導後の措置
病 院:経過観察9、再指導1
診療所:概ね妥当1、経過観察25、再指導14、要監査1
歯 科:経過観察11、再指導12
○返還内訳(※)
病 院:13件 28,808,225円
診療所:34件 135,313,211円
歯 科:32件 6,280,098円
〈新規個別指導〉
○実施機関数
病院4、診療所121、歯科61
○指導後の措置
病 院:再指導4
診療所: 概ね妥当1、経過観察113、再指導7
歯 科:概ね妥当2、経過観察53、再指導6
○返還内訳(※)
病 院:6件 1,062,704円
診療所:137件 2,828,503円
歯 科:71件 364,624円
〈監 査〉
○実施機関数
病院0、診療所1(保険医は1)、歯科4(保険医は19)
○監査後の措置
病 院:0
診療所:監査継続中1
歯 科: 措置量定中3( 保険医は21)、監査継続中1(保険医は2)
○返還内訳(※)
病 院:1件 24,089,097円
診療所:0件
歯 科:1件 6,950,725円
〈施設基準調査〉
○実施機関数
病院63、診療所0、歯科0
○返還内訳(※)
病 院:13件 435,889,298円
診療所:0件
歯 科:0件
※ 返還は、いずれも2015年度実施分および2014年度以前実施分の合計