兵庫県保険医協会

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審査対策部だより

2016(平成28)年度の指導及び監査の実施状況(兵庫県)

2019.02.05

歯科で「高点数」理由による個別指導。医科も2017年度から

 協会は近畿厚生局兵庫事務所より「2016(平成28)年度保険医療機関等の指導及び監査の実施状況報告書(兵庫県)」の開示を受けた(下表)。主な特徴点を解説する。

「再指導」は高い水準で推移
 
 個別指導の選定理由として「情報提供」によるものが、病院6件のうち2件、診療所(医科)38件のうち18件、歯科28件のうち6件であった。「高点数」理由による個別指導が、歯科で初めて4件実施されている。医科では、病院・診療所とも2016年度の時点で「高点数」理由による個別指導の実施は0件であるが、2017年度からは実施されている。
 また、個別指導後の措置では、「再指導」とされたものが、病院6件のうち2件、診療所38件のうち13件、歯科28件のうち9件と、「再指導」が高い水準で推移している。
 
新規個別指導でも「返還」
 
 新規個別指導では、指導後の措置のうち「再指導」とされたものが、診療所93件のうち2件、歯科74件のうち6件とされている。件数は少ないが「再指導」の場合、通常の個別指導に移行することとなる。返還については、病院で1件3万1608円、診療所48件52万4088円、歯科32件29万3894円と、依然として新規個別指導でも「返還」が求められている。
 監査では、診療所2件、歯科1件で実施され、監査後の措置として、診療所で「取消相当」1件、歯科では「取消」1件、「取消相当」1件となっている(件数は前年度実施分を含む)。なお、監査後の措置のうち「戒告」「注意」の件数については非開示とされている。
 
施設基準の日常的な確認が必要
 
 施設基準調査は病院のみ89件で実施され、返還は6件476万1945円となっている。返還件数および金額とも前年度より減少しているが、入院基本料の施設基準が満たされていない場合などでは多額の返還を求められるため、届出事項が合致しているか日常的な確認が必要である。
 また、病院の施設基準調査は60~80件前後で推移していたが、2017(平成29)年度の適時調査の実施予定件数は118件と、例年の倍近くとなっており、医療機関にとっては、3年に一度のペースで適時調査が実施されることになる。
 
通知が届いたら協会へ相談を
 
 協会では近畿厚生局や厚労省に個別指導の改善を求めているが、日ごろからのカルテ記載、保険請求ルールの学習も不可欠である。
 個別指導等の実施通知が届いたらぜひ協会に相談していただきたい。
 
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