審査対策部だより
支払基金・国保連合会 審査委員会と懇談
2020.03.25
査定理由の明示を
協会は、1月30日に支払基金、2月13日に国保連合会の審査委員会と懇談。それぞれ協会から西山裕康理事長をはじめ宮武博明副理事長(審査対策部長)らが出席し、協会が事前に提出した要望書や、協会会員医療機関から寄せられた減点事例などをもとに審査改善について要請した。支払基金・国保連合会とも再審査請求の件数が保険者に比べて医療機関からのものが極めて少ないことを明らかにし、「納得のいかない査定には積極的に再審査請求していただきたい」と述べた。両審査委員会との懇談は、レセプト審査の改善を目的に、審査委員の改選を受けて2年ごとに実施している。
【基金】
基金改革「審査の質が低下しないようにしていく」
1月30日の支払基金審査委員会との懇談には、協会から西山理事長、宮武副理事長、清水映二理事、岩下敬正評議員が出席。支払基金からは齊藤清治審査委員長をはじめ医療顧問、審査委員ら6人が出席した。
基金が現在の都道府県ごとに設置している支部を廃止して、全国10か所程度の審査事務センターに集約するとしていることについて、協会は福祉医療費助成制度の請求、審査相談業務の対応など現行のサービス低下が危惧されることから、拙速な支部の集約化は行わないよう要請した。
基金は、「2022年4月以降に順次集約化する予定だが、地域医療の特性等を踏まえた審査を行う観点から、審査委員会および審査委員会事務局は各都道府県に残す。審査の質が低下しないようにしていく」「審査委員会事務局は引き続き、レセプトの受付業務、返戻発送、照会対応、適正なレセプト提出に向けた保険医療機関等への支援や各県医師会等の関係団体との調整を行う」と回答した。
協会が、医療機関からの再審査請求を原審どおりとする場合は、理由を明らかにするよう求めたところ、基金は、「平成28年2月審査分より、増減点事由記号に加えて、より具体的な理由を記載するようにしている」「再審査請求の結果、原審どおりとするケースでは具体的理由を記載するよう努力しているおり、不明な点があれば審査相談窓口まで問い合わせをしていただきたい」と述べた。審査相談窓口
078-302-5000
【国保】
運動器リハビリの審査改善を求める
2月13日の国保連合会審査委員会との懇談では、協会から西山理事長、近重民雄副理事長が出席。国保連合会からは荻野文章審査委員会会長ら4人が出席した。
協会は、保険者から再審査請求について6カ月を超えたものを安易に受け付けないよう要請したところ、国保は「保険者には6カ月を超えないよう周知しているが、6カ月の起点は保険者にレセプトが送付された時点であり、国保連合会での審査等事務処理を含め最長10カ月程度かかる場合がある」と回答した。
また、協会は1日6単位を超える運動器リハビリテーション料の算定にあたって、回復期リハビリテーション病棟を有する医療機関にレセプトコメント記載を求める文書を送付しいている件について改善を求めた。
国保は「高齢者に対して長時間にわたるリハビリが適切であるか疑義があり、全国的に1日当たりの上限を6単位程度に設けている傾向がある。一律に認めない扱いとはしていないので、個々の症例により保険診療上妥当かを判断するため6単位を超える場合は、コメント記載をお願いしている」とした。これに対して協会は「『コメント記載しても査定される』との声が協会に寄せられている。記載要領にも明記されていない内容を一律に求めるのはいかがか」と国保側の姿勢を問いただした。
また、協会が減点理由を明確にするよう求めたところ、国保は、「原審どおりとする場合は、審査委員がその理由を記載して事務にも渡すなど内部で共有している。また、具体的な査定理由がわかるようなシステム開発を国保中央会にもお願いしているが、査定理由が不明であれば問い合わせて欲しい」と回答した。