兵庫県保険医協会

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審査対策部だより

レセプト審査におけるコンピューターチェック事例

2021.05.15

 厚労省は「支払基金業務効率化・高度化計画」において、2022年度までにレセプト審査の9割程度をコンピューターチェックで完結することをめざすとしている。
 これまで協会は、コンピューターチェックにより審査が画一的なものとならないよう、医師の裁量を重視した医学的常識に基づく審査を要求してきた。基金・国保との懇談においても「診療内容の適否について画一的あるいは一律的に適用するものではなく、審査委員会の医学的判断により決定する」(基金)としているが、運用には引き続き注視が必要である。
 コンピューターチェック対象事例は、支払基金や国保連合会のウェブサイト上で順次公開されているので参照いただきたい(支払基金トップページの上部「診療報酬の請求支払」⇒「コンピューターチェックに関する公開」)。
 以下に、「医学的必要性」の観点でチェックされている事例の一部を紹介する。

■赤血球沈降速度(ESR)
【チェック内容】再診時に高血圧のみでESRが算定された場合にチェックを実施。
【チェック根拠】「初診時以外で『高血圧』のみの病名に対する赤血球沈降速度(ESR)の算定は認められないとされています」

■リポ蛋白分画
【チェック内容】同日にリポ蛋白分画とコレステロール分画が算定された場合にチェックを実施。
【チェック根拠】「原則として、リポ蛋白分画とコレステロール分画の併施は認められないとされています」

■遊離トリヨードサイロニン(FT3)
【チェック内容】同日にトリヨードサイロニン(T3)と遊離トリヨードサイロニン(FT3)が算定された場合にチェックを実施。
【チェック根拠】「原則として、T3とFT3の併施は認められないとされています」

■ヒアルロン酸
【チェック内容】前月以前に、既に確定された肝硬変病名がありヒアルロン酸が算定された場合にチェックを実施。
【チェック根拠】「原則として肝硬変に対するヒアルロン酸は認められないとされています」