審査対策部だより
ボラザG軟膏の減点・一部復活事例
2022.11.05
〈患者〉社保・51歳男性
〈診療年月〉2021年11月
〈主な傷病名・診療開始日〉
脱出性内痔核 2021年11月5日 慢性便秘 2021年11月5日
腹部膨満 2021年11月5日 肛門周囲皮膚炎 2021年11月19日
〈主な請求内容〉
初診料 288×1
再診料 73×2
(処置薬剤)
ボラザG軟膏 2.4g 6×1
ボラザG軟膏 2.4g、ケトプロフェン坐剤 75㎎「JG」1個 9×1
痔核手術「2 硬化療法(四段階注射法によるもの)」 4,010×1
(手術薬剤)
ジオン注無痛化剤付 10ml(希釈液付)1瓶 455×1
肛門鏡検査 200×1
(検査薬剤)
ボラザG軟膏 2.4g、ケトプロフェン坐剤 75㎎「JG」1個 9×1
処方箋料 68×3
〈主な処方内容(内服薬は省略)〉
リンデロン-VG軟膏0.12% 10g(1日3~4回 肛門周囲に塗布) 28×1
ネリザ軟膏 28g 45×2
ボラザG軟膏 67.2g 177×1
〈減点内容〉
ボラザG軟膏 67.2g 177×1→0(C項査定(A・B以外の医学的理由))
〈協会コメント〉
ボラザG軟膏の効能・効果は「痔核に伴う症状(出血、疼痛、腫脹)の緩解」及び「裂肛に伴う症状(出血、疼痛)の緩解、裂創上皮化の促進」ですが、使用を始めた11月19日は「肛門周囲皮膚炎」の診療開始日と重なっており、同疾患への処方として査定された可能性もあります。ネリザ軟膏からボラザ軟膏へ変更されたとのことですが、その流れやリンデロン-VG軟膏との併用などについて、必要性等記載の上、再審査請求されてはいかがでしょうか。
〈再審査請求コメント〉
当患者は令和3年11月5日に脱出性内痔核の症状にて初診来院。手術を検討の上、7日分のネリザ軟膏28gを処方。11月12日の外来にてジオン注による痔核硬化療法術を施行し、当日、出血や疼痛を和らげるためネリザ軟膏7日分28gを処方。11月19日に再来院し、痔核症状が安定しているためネリザ軟膏からボラザ軟膏に変更し、14日分67.2gを処方。しかし、肛門周囲炎の皮膚炎症が現れていたため、同日に別途リンデロン-VG軟膏を処方。査定となった11月19日分のボラザ軟膏14日分67.2gは、痔核症状に対し術後より症状観察し処方したもの。
〈再審査請求結果〉
0g→処方量の半量の33.6gが復活