審査対策部だより
最近の個別指導における指摘・返還事項(医科)
2022.12.05
2021~22年にかけて県下で実施された新規個別指導(医科)における指摘事項(入院外)を掲載する(兵庫県保険医協会が請求し近畿厚生局が開示したものより抜粋、一部編集)。末尾の「【返還】」は、自主返還が求められた事項。厚生局から指導の実施通知が届いた場合は、協会事務局(電話078-393-1840)までご相談いただきたい。
・左右の別の記載がない傷病名(例・変形性関節症、肩関節周囲炎)、部位の記載がない傷病名(例・湿疹、蜂窩織炎)が認められた。
・検査、投薬等の査定を防ぐ目的で付けられた医学的な診断根拠のない傷病名(いわゆるレセプト病名)が認められた。診療報酬明細書の請求内容を説明する上で傷病名のみでは不十分と考えられる場合には、摘要欄に記載すること(例・肝機能障害の疑い、甲状腺機能低下症の疑い、梅毒の疑い 等)。
2.診療録
・医師の診察に関する記載がなく「薬のみ」の記載で投薬の治療が行われている。診療録の記載がなければ医師法で禁止されている無診察治療とも誤解されかねないので改めること。
・傷病手当金に係る意見書を交付したものについて、労務不能に関する意見欄への記載がない。
・電子的に保存している記録の管理・運用について、代行入力を実施する場合の取り扱い(代行入力を認める業務及び誰が誰を代行してよいか)を運用管理規定に定めていない。
3.基本診療料
・現に診察中の患者に対して新たに傷病の診断を行った際に初診料を算定している。【差額返還】
・外来管理加算について、患者からの聴取事項や診察所見の要点の診療録への記載がないまたは不十分。【記載がないものについては返還】
4.医学管理等
・特定疾患療養管理料について、治療計画に基づく服薬、運動、栄養等の療養上の管理内容の要点の診療録への記載がない。【返還】
・乳幼児育児栄養指導料について、指導の要点についての診療録への記載がない。【返還】
・薬剤情報提供料について、診療録等に薬剤情報を提供した旨の記載がない。【返還】
・診療情報提供料(Ⅰ)について、実際に交付した文書の写しを診療録に添付していない。
・在宅療養指導料について、保健師、助産師または看護師が、患者ごとに作成した療養指導記録に指導実施時間を明記していない。【返還】
5.在宅医療
・特別訪問看護指示加算について、週4回以上の頻回の指定訪問看護を一時的に必要とする理由等の特別訪問看護指示書への記載が不十分。
6.検査・病理診断
・検査は、個々の患者の状況に応じて、必要最小限で実施すること。また、診療録への記載が不十分であれば、健康診断目的とも誤解されかねないので、検査を必要と判断した根拠を診療録に記載するよう留意すること。
・呼吸心拍監視について、①重篤な心機能障害もしくは呼吸機能障害を有する患者、またはそのおそれのある患者以外の患者に対して実施している。【返還】、②観察した呼吸曲線、心電曲線のそれぞれの観察結果の要点について、診療録への記載がない。【返還】
・超音波検査について、検査で得られた主な所見の診療録への記載がない。【返還】
・患者の診療を担う保険医の指示に基づき、当該保険医の診療日以外の日に訪問看護ステーション等の看護師等が実施した血液採取について、血液採取(静脈)を算定している。【返還】
・経皮的動脈血酸素飽和度測定について、酸素療法を行う必要のない患者、またはその他の要件にも該当しない患者に対して算定している。【返還】
・腫瘍マーカー検査は、診察及び他の検査・画像診断等の結果から悪性腫瘍の患者であることが強く疑われる者に対して行った場合に算定するものであることに留意すること。
・病理判断料について、病理学的検査の結果に基づく病理判断の要点の診療録への記載がない。【返還】
7.投薬
・ビタミン剤の投与が必要かつ有効と判断した趣旨について、診療録への記載が不十分である。
8.リハビリテーション
・リハビリテーション総合計画評価料について、①リハビリテーション総合実施計画書について、看護師等の氏名が記載されておらず、多職種が共同して作成、評価したことが不明確。②リハビリテーションが開始されてから評価ができる期間に達しているとは考え難い場合で算定している。【返還】
9.精神科専門療法
・通院・在宅精神療法について、当該診療に要した時間の診療録への記載が画一的。
10.処置
・創傷処置について、処置した範囲の診療録への記載が不十分。
・熱傷処置について、熱傷深度の診療録への記載が不十分。
・消炎鎮痛等処置について、医師の指示内容について診療録への記載が不十分。
・耳垢塞栓除去(複雑なもの)は、耳垢水等を用いなければ除去できない耳垢塞栓を完全に除去した場合に算定することに留意すること。
11.手術
・手術内容について、診療録などへの記載が不十分。
・一部負担金を受領すべき者から受領していない。(例・自家診療)
※ 近畿厚生局も「個別指導(医科)における主な指摘事項」を公開しているので参照されたい。https://onl.la/FdWKWfK
Ⅰ 診療に係る事項
1.傷病名・左右の別の記載がない傷病名(例・変形性関節症、肩関節周囲炎)、部位の記載がない傷病名(例・湿疹、蜂窩織炎)が認められた。
・検査、投薬等の査定を防ぐ目的で付けられた医学的な診断根拠のない傷病名(いわゆるレセプト病名)が認められた。診療報酬明細書の請求内容を説明する上で傷病名のみでは不十分と考えられる場合には、摘要欄に記載すること(例・肝機能障害の疑い、甲状腺機能低下症の疑い、梅毒の疑い 等)。
2.診療録
・医師の診察に関する記載がなく「薬のみ」の記載で投薬の治療が行われている。診療録の記載がなければ医師法で禁止されている無診察治療とも誤解されかねないので改めること。
・傷病手当金に係る意見書を交付したものについて、労務不能に関する意見欄への記載がない。
・電子的に保存している記録の管理・運用について、代行入力を実施する場合の取り扱い(代行入力を認める業務及び誰が誰を代行してよいか)を運用管理規定に定めていない。
3.基本診療料
・現に診察中の患者に対して新たに傷病の診断を行った際に初診料を算定している。【差額返還】
・外来管理加算について、患者からの聴取事項や診察所見の要点の診療録への記載がないまたは不十分。【記載がないものについては返還】
4.医学管理等
・特定疾患療養管理料について、治療計画に基づく服薬、運動、栄養等の療養上の管理内容の要点の診療録への記載がない。【返還】
・乳幼児育児栄養指導料について、指導の要点についての診療録への記載がない。【返還】
・薬剤情報提供料について、診療録等に薬剤情報を提供した旨の記載がない。【返還】
・診療情報提供料(Ⅰ)について、実際に交付した文書の写しを診療録に添付していない。
・在宅療養指導料について、保健師、助産師または看護師が、患者ごとに作成した療養指導記録に指導実施時間を明記していない。【返還】
5.在宅医療
・特別訪問看護指示加算について、週4回以上の頻回の指定訪問看護を一時的に必要とする理由等の特別訪問看護指示書への記載が不十分。
6.検査・病理診断
・検査は、個々の患者の状況に応じて、必要最小限で実施すること。また、診療録への記載が不十分であれば、健康診断目的とも誤解されかねないので、検査を必要と判断した根拠を診療録に記載するよう留意すること。
・呼吸心拍監視について、①重篤な心機能障害もしくは呼吸機能障害を有する患者、またはそのおそれのある患者以外の患者に対して実施している。【返還】、②観察した呼吸曲線、心電曲線のそれぞれの観察結果の要点について、診療録への記載がない。【返還】
・超音波検査について、検査で得られた主な所見の診療録への記載がない。【返還】
・患者の診療を担う保険医の指示に基づき、当該保険医の診療日以外の日に訪問看護ステーション等の看護師等が実施した血液採取について、血液採取(静脈)を算定している。【返還】
・経皮的動脈血酸素飽和度測定について、酸素療法を行う必要のない患者、またはその他の要件にも該当しない患者に対して算定している。【返還】
・腫瘍マーカー検査は、診察及び他の検査・画像診断等の結果から悪性腫瘍の患者であることが強く疑われる者に対して行った場合に算定するものであることに留意すること。
・病理判断料について、病理学的検査の結果に基づく病理判断の要点の診療録への記載がない。【返還】
7.投薬
・ビタミン剤の投与が必要かつ有効と判断した趣旨について、診療録への記載が不十分である。
8.リハビリテーション
・リハビリテーション総合計画評価料について、①リハビリテーション総合実施計画書について、看護師等の氏名が記載されておらず、多職種が共同して作成、評価したことが不明確。②リハビリテーションが開始されてから評価ができる期間に達しているとは考え難い場合で算定している。【返還】
9.精神科専門療法
・通院・在宅精神療法について、当該診療に要した時間の診療録への記載が画一的。
10.処置
・創傷処置について、処置した範囲の診療録への記載が不十分。
・熱傷処置について、熱傷深度の診療録への記載が不十分。
・消炎鎮痛等処置について、医師の指示内容について診療録への記載が不十分。
・耳垢塞栓除去(複雑なもの)は、耳垢水等を用いなければ除去できない耳垢塞栓を完全に除去した場合に算定することに留意すること。
11.手術
・手術内容について、診療録などへの記載が不十分。
Ⅱ 管理・請求事務等に係る事項
・診療報酬の請求に当たっては、診療報酬明細書について保険医自らが診療録との突合を行い、記載事項や算定項目に誤りや不備等がないか十分に確認すること。・一部負担金を受領すべき者から受領していない。(例・自家診療)
Ⅲ 管理・請求事務等に係るその他の事項
・保険診療について、いわゆる混合診療と誤解されないよう、保険外診療との区分を明確にすること。※ 近畿厚生局も「個別指導(医科)における主な指摘事項」を公開しているので参照されたい。https://onl.la/FdWKWfK