審査対策部だより
10月以降の医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算の変更
2024.09.05
10月からDX加算がマイナ保険証利用率に応じた加算に
10月1日から医療DX推進体制整備加算(以下、DX加算)が再編される。
DX加算は現在、施設基準の届出を行った医療機関において、初診時に医科8点、歯科6点を加算できるが、2024年10月1日以降はマイナ保険証の利用率に応じてDX加算1(医科11点、歯科9点)、DX加算2(医科10点、歯科8点)、DX加算3(医科8点、歯科6点)に区分される。DX加算1~3において求められる利用率はそれぞれ、15%以上、10%以上、5%以上である。この基準は2025年1月に引き上げられ、3月までは30%以上、20%以上、10%以上となる。4月以降の利用率は年末を目途に今後検討される(表1)。
利用率は「レセプト件数ベース」が原則とされ、算定月5カ月前から3カ月前を参照し、そのうち最も高い月の利用率を用いる。ただし、経過措置として来年1月までに限り、算定月4カ月前から2カ月前の「オンライン資格確認件数ベース」利用率の最高値を用いることもできる(表2)。利用率は医療機関で計算する必要はなく、支払基金から各医療機関にメールで通知されるほか、「医療機関向け総合ポータルサイト」でも確認できる。
すでにDX加算の届出を行っている医療機関では再度の届出は必要ないが、マイナ保険証利用率の変動により算定区分が変わることとなるため、注意が必要である。なお、届出を行っていても、利用率が基準を満たさなければ10月以降DX加算は算定できなくなる。
DX加算1及び2の施設基準には、「マイナポータルの医療情報等に基づき、患者からの健康管理に係る相談に応じる体制を有していること」との基準も追加されたが、この基準も届出は不要とされている。なお、電子処方箋の発行体制(2025年3月31日まで経過措置)、電子カルテ情報共有サービス活用の体制(2025年9月31日まで経過措置)等既存の施設基準に変更はない。
12月から医療情報取得加算が一律1点に
12月1日からは医療情報取得加算も変更される。政府は今年12月2日から現行の保険証の新規発行を停止する姿勢を崩しておらず、それに合わせた変更である。マイナ保険証か現行保険証かなどの資格確認による区別がなくなり、初診時・再診時ともに1点の加算となる。
仮にこのまま現行保険証の新規発行が停止されても、12月2日以降、次の有効期限まで(最長2025年12月1日まで)は現行保険証での受診は可能である。また、マイナ保険証を持っていない方には「資格確認書」が順次発行されるが、施設基準を満たす医療機関では、これら資格確認の方法を問わず引き続き加算を算定できる。