審査対策部だより
24年度診療報酬改定点数に関わる算定の留意点
2024.10.05
生活習慣病管理料(Ⅰ・Ⅱ共通)を算定するがん患者への腫瘍マーカーの算定
悪性腫瘍の傷病名が確定している患者へ腫瘍マーカー検査を行った場合は、原則として医学管理の悪性腫瘍特異物質治療管理料で算定する。一方、生活習慣病管理料は医学管理料を包括するため、生活習慣病管理料を算定する患者に対しては悪性腫瘍特異物質治療管理料を算定できない。
このため生活習慣病管理料を算定する患者に、がん術後のフォローなどで腫瘍マーカーを行う場合、腫瘍マーカーに関する費用は、検査料としても管理料としても算定できないこととなる。
ただし、検査の月に生活習慣病管理料を算定せずに、悪性腫瘍特異物質治療管理料を算定することは可能である。
生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定する患者への内視鏡検査等の算定
生活習慣病管理料(Ⅰ)は検査の費用を包括するため、内視鏡検査等を行ってもその費用を別に算定することはできない。ただし、検査の月に生活習慣病管理料を算定せずに、内視鏡の検査料等を算定することは可能である。
特定疾患処方管理加算の算定
特定疾患処方管理加算は、主病である特定疾患に対する28日以上の投薬が算定要件である。単に特定疾患の傷病名があるだけでは算定要件を満たさない。
また、レセプトに複数の主病を記載している場合であっても、「ある疾患を主病とする場合に限り算定できる点数を2種類以上算定することは認められない」とされている。特に、生活習慣病管理料の対象疾患と、慢性胃炎、喘息等の特定疾患との両方を主病としてレセプトに記載していても、生活習慣病管理料と特定疾患処方管理加算の両方を算定することはできない(2024年8月29日厚労省疑義解釈参照)。いずれかの傷病名に対応する点数を算定することとなる。
なお、改定後の減点事例として、特定疾患処方管理加算の要件を満たしているにも関わらず、生活習慣病の傷病名があるために算定が不適切とされる例が協会に寄せられている。主病の判断は医師の診察に基づくものであり、審査機関が処方内容等からのみ判断するものではない。納得のいかない減点については、主病の判断の根拠などを明示の上、再審査請求をしていただきたい。
協会・保団連は、診療報酬に関する不合理の是正を求め厚労省への交渉等に取り組んでいる。現場にそぐわない算定ルールへの意見や不当な減点事例などがあれば、ご相談いただきたい。(電話:078-393-1803 平日10時~12時・14時~16時)