兵庫県保険医協会

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審査対策部だより

高血圧治療での薬剤併用に関する算定の留意点

2025.02.05

 高血圧症の患者に対し、ACE阻害薬およびARBを算定したレセプトについて、一方の薬剤が減点される事例が協会に寄せられている。
 高血圧治療における薬剤選択について、現在、ガイドラインで併用が推奨されている組み合わせは、「①ACE阻害薬あるいはARB+Ca拮抗薬、②ACE阻害薬あるいはARB+利尿薬、③Ca拮抗薬+利尿薬」(日本高血圧学会『高血圧治療ガイドライン2019』P79)の3点とされている。いずれも「ACE阻害薬あるいはARB」と他の薬剤との併用である。
 また、ACE阻害薬とARBの併用については、「透析導入、クレアチニン値の倍増、死亡率増加がみられるという報告もあり、一般的にこの組合わせの併用は推奨されない。併用する場合には少量の併用から開始し、注意深い観察が必要である」(同前P80)とされ、推奨されていない。
 そのため、レセプトの審査ではACE阻害薬とARBの併用は認められず、減点されているものと考えられる。ガイドラインを踏まえた診療に留意いただきたい。
 なお、ACE阻害薬には慢性心不全にも適応がある薬剤がある。高血圧症に対しARBを、慢性心不全に対しACE阻害薬を用いる場合には、それぞれの適応症に対し処方していることを摘要欄に記載して保険請求いただきたい。

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