文化部だより
初級手話学習会
2010.10.25
13回目を迎えた文化部主催の初級手話学習会が10月7日にスタートした。自身が聴覚障害者である田中玉世氏(神戸ろうあ協会)を講師に招き、看護師・歯科衛生士・受付事務など10人が全15回で学ぶ。
初回の講座は、通訳者の磯部和子氏(神戸ろうあ協会)が、「手話を学ぶ前に知ってほしいこと」について話された。磯部氏は「手話の数をたくさん覚えれば、会話が上達するというものではない」とし、気持ちのこもっていない手話がいかに通じないかを実演。「ろうあ者が何を考えているか、その立場や気持ちをつかむことが大事。そういう手話を医療現場で使えるようがんばってほしい」と強調した。
田中玉世氏は、「あいさつ」の手話を紹介した。手話で「ありがとう」は、左手の甲から右手をタテに垂直に上げる。「これは、相撲で勝ったときに手刀を切る仕草をして、懸賞金をもらう様子が由来」と説明。それぞれの手話がつくられた背景なども詳しく紹介しながら講義をすすめ、参加者は真似をしながら手話を覚えた。講座では、手話の技術だけでなく、ろうあ者が日常生活でかかえる困難や悩みについてもわかりやすく解説してもらいながら学ぶことにしている。