兵庫県保険医協会

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専門部だより

女性医師・歯科医師の会

[インタビュー]母の背中を見て

2010.04.15

灘区・歯科 落合 愛子

 サラリーマンの夫と結婚し、3人の子育てをしながら、40年間歯科医師の仕事を続けてきました。
 振り返ると私の生き方は、同じ歯科医師だった母の影響を強く受けています。3歳のとき、家族は満州から引き揚げてきました。戦後の混乱で父に仕事がなく、代わって家計を支えたのは母でした。その姿を見て、私も自然と歯科医師の道を選び、結婚後も仕事を続けました。
 その中で二つ、こだわったことがあります。
 まず、どんな形でも歯科医師の仕事を続けること。専業主婦になった母が、仕事の再開にとても苦労していたから、ブランクは作りたくありませんでした。夫の転勤先の茨城県で、知り合いのいないなか、歯科医師免許だけ持って「衛生士でもいい。雇ってほしい」と頼み込んだこともあります。
 もう一つ、子どもの食事と弁当は自分で作ること。診療時間を午後3時までにして、毎日食事を作りました。大変でしたが、食事は生活の基本。大事にしたかったのです。
 子育てと診療の両立は綱渡りのような面がありますが、実感したのは「窮すれば通ずる」ということ。保育所がなければ近所の方が、医院経営に困ったら保険医協会がと、必ず誰かが助けてくれました。本当に感謝しています。だから私も、周囲の方々と一緒に、保育所運動や協会活動に取り組んできたのです。
 子どもたちも自立し、今は憲法9条を守ろうとがんばっています。昨年、患者さんの戦争体験を集めた記録集を「九条の会」で作りました。kosumosu-07ic4.gif
 引き揚げ時の栄養失調で、助からないと言われた私の命が今あるのは、戦後から今日まで戦争がなかったから。幸せな時代を生きた者として、戦争体験者の声を残し、「戦争は絶対だめ」と伝えていきたいと思っています。

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