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[インタビュー]"温泉の町"の医療守る

2011.08.15

“温泉の町”の医療守る

美方郡 古澤 倫代

 私は新温泉町で開業し17年になります。8歳のときに父を病気で亡くし、自分も身体が弱く、医療に関わる仕事をと思い医師になりました。
 もともと豊岡市出身で、兵庫県養成医師としての12年間の義務年限終了後、外科勤務医である夫のすすめで開業しました。経営を担うことに不安があり決断には少し時間がかかりましたが、地域に根をはった医療をと開業を決意しました。子育ては義母の助けを借りました。本当に感謝しています。
 新温泉町は日常生活では不便さがクローズアップされがちですが、日本海でとれた蟹や海老、お肉も美味しい地域です。何より、温泉に恵まれ、患者さんには医院のデイケア施設でも温泉を楽しんでいただけます。冬場の消雪にはとても費用がかかるので温泉も使っています。ただ残念なのは、産業が少なく、若い人の働く場がないこと、人口も減っていることです。
 但馬の医療再編の後、町内の公立病院の病床数は110床から55床になりました。介護保険施設が増え、私も特養の嘱託医も務めていますが、患者さんが急病になった場合、病院の受け入れ体制はあるのかと不安になります。
 運行が始まったドクターカー、ドクターヘリは119番からの対応のみで、開業医や地域の中小病院が介入することはありません。
 しっかりしたバックアップがなければ、医療や介護の安心安全は確保されません。
 病院の再編や診療所の存続問題など、いつも政治がらみで、経営問題ばかりが前面に出て、地域医療がどうあるべきかが議論されていないように感じます。
 子どもからお年寄りまで、家族構成や、家族の問題も含めて関わって健康を守っていくのが、開業医の役割だと実感しています。地域医療を担い、守る医療者として地域の方々とご一緒に頑張っていきたいと思います。

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