女性医師・歯科医師の会
講演会「患者に選ばれるクリニックづくり」感想文
2012.01.30
女性医師・歯科医師の会講演「クリニック設計」
患者さんが安心して 治療受けられる医院に
女性医師・歯科医師の会は12月10日、協会会議室で講演会「患者に選ばれるクリニックづくり―設計者と患者の立場から」を開催。広島国際大学工学部住環境デザイン学科教授の久保田秀男先生を講師に、36人が参加した。参加者の感想文を紹介する。
勤務医から開業を決断した時、まず初めに問題となるのが、開業場所と診療所建築と思います。自分の場合、縁あって神戸にて開業することとなりましたが、どのような診療所にするか迷っていました。開業しようとする皆さん同様と思いますが、始めの頃、実際の診療所のイメージができませんでした。頭にあるのはただ「よい診療所」という一言だけでした。
では、よい診療所とはどのようなものをいうのでしょうか。
最近の医療施設は、自分にはゴージャスに見えてなりません。待合室の大きな吹き抜け、ゆったり座れる大きなソファー、大理石張りのカウンターなど、必要なのでしょうか。
患者さんは、病気を治しに来ているのであって、接客サービスを受けに来ているのではないと思います。確かに、医療はサービス業の一種かもしれませんが、ホテルなどの一般サービス業と異なり、患者さん一人ひとりの健康や生命を守る公共サービスの一種だと思います。
自分の祖母はお寺の出身で、その関係上、僧侶等にいろいろなお話を聞く機会がありました。その中で「医者と坊主と警察は、暇で結構」というのが印象的でした。本当は、診療所に誰も来院されないのが本当に皆が幸せなのだと思います。
しかし、患者さんに来ていただけないと医者も生活ができないのも現実です。自分を信頼して来院していただいた限りは、「心安らかに」診療を受けていただきたいと思っています。
今回、久保田先生の講演はこれから開業する先生ばかりでなく、リフォームを考えておられる先生にも大変有用なお話でありました。今後開業される先生方にぜひ聞いていただきたく、講演の継続を希望いたします。【準会員 T・M】