女性医師・歯科医師の会
[インタビュー]歯科口腔外科で手術に情熱
2012.08.30
歯科口腔外科で手術に情熱
社会保険神戸中央病院歯科口腔外科の医長として、埋伏歯の抜歯やインプラント等の手術を行っています。
小学校6年生のとき、歯のコンテストで兵庫県1番に選ばれました。初めて「歯」を意識し、イベントにも出たりして。それから、父があきれるほど一生懸命ブラッシングをするようになりました。周りには歯科関係者がいなかったのに、歯科医を選んだきっかけはこのときでしたね。
歯科医には、手先の器用さや美的感覚などが必要です。大学でいざ実習となり、できないとやめていく同級生も多くいましたが、私は実習がとても好きで、向いていたんでしょう。
松本歯科大学卒業後、教授の推薦をいただき、兵庫医科大学病院の歯科口腔外科へ。最初は朝から晩まで、手術の鉤持ちや点滴で、歯に触れず「何でこんなこと」と悩みましたが、他に行く当てもなく、ここでがんばるしかないと8年間勤務しました。おかげで、最新の知識・技術を身につけることができました。
私の専門はインプラントです。インプラントは、患者さんの適応を見極めること、外科の訓練を受けた歯科医師とスタッフ、良い材料、継続的なメンテナンスが絶対必要です。開業医の先生方の見学にはどんどん応じますので、ぜひ来ていただきたいですね。
歯科の保険診療は、点数が低すぎます。技術をどれだけ磨いても、全く見合わない。特に、歯科医師にしかできない根管治療は、もっと高く評価すべきです。
当院も厳しく、歯科口腔外科もいつ閉鎖されるかわかりません。スタッフもやめてしまうと補充はなく、ぎりぎりの状態でやっています。歯科の大切さ・それを維持する技術の重要性をもっと理解してほしいと思います。
今後は、市民講座を開いて、患者さんの疑問に答えていきたい。特に、インプラントは誤解も多いので、きちんと役割・危険性などを、知らせていきたいと思っていますね。