女性医師・歯科医師の会
インタビュー 「働くお母さんを支える病児保育を広げたい」
2013.08.05
働くお母さんを支える病児保育を広げたい
北区・真星病院 大石 麻利子
真星病院は夫が開設した病院ですが、私もそこで眼科医として働きました。当時から神戸大学で研究生としても診察をしていましたので、3人の子育てと1人3役でやっていました。ところが1992年に夫が突然他界し、急に院長を継ぐことになりました。病院長職と診療と子育ての3足のわらじでは、いろいろと苦労をしましたね。
院長になり、子育てをするお母さんを支えられる病院を創ろうと思いました。
子どもが病気の時には、保育園に預けることもできず、一人、家で寝かせて寂しい思いをさせてしまいました。その経験から病児保育と院内保育に取り組もうと決意し、ボランティアの方々の協力をいただきながら、1999年に神戸市で初めて病児保育室を始めました。
神戸市に助成を掛け合いましたが「予算がない」の一点張り。党派問わずいろんな市会議員さんに相談し、市議会で取り上げてもらい、4年後に医師会を通して、市の委託という形で実現することができました。
学生時代に重度障害者ボランティアにたずさわり、地域の人々がお互い支え合うことの大切さを学びました。行政ではなく、住民同士だからこそできる「見守り」や支え合いを病院が支援できたらと思います。
今では病児保育所は神戸市内で12カ所にまで広がっています。お母さんたちが不安やつらい思いをせずに、安心して働ける環境をつくることが私の使命だと思っています。
協会が学習会で招く方はみなさん見識があり、知らなかったことを教えてくださる方々ばかりですね。これからも期待しています。