女性医師・歯科医師の会
女医の会インタビュー「目標は生涯手術を続けること」
2015.01.20
目標は生涯手術を続けること
神戸大学呼吸器外科 清水奈保子
医師になって5年目。研修医2年間を終え、呼吸器外科医として歩き出したばかりで、まだ新人中の新人です。
香川大学を卒業し研修後、兵庫県出身の夫と結婚し、神戸大学の医局に入らせていただきました。兵庫県立がんセンターで後期研修をし、今は大阪の住友病院で勤務しており、肺がんを中心に気胸や膿胸など肺疾患の手術を行っています。新たに学ぶことばかりで毎日が充実しています。手術を重ね、専門医の資格をとり、一人前の外科医になるのが今の目標です。
呼吸器外科を選んだのは、何より手術に魅力を感じたからです。悪い部位を取り除くことで、患者さんの病気が治るという結果が目に見えて表れます。学生時代に打ち込んできたバスケットボールに似ているとも感じますが、先輩に指導していただきながら、練習し技術を高め、チームの連携がうまくいけば、病気を治せ、患者さんに喜んでもらえる。それがうれしいですね。
肺がん患者さんは再発してしまうと、再手術が難しく、抗がん剤も効きにくいので、非常につらいです。どんな最期を迎えるか、患者さんと向き合い、いつも考えさせられます。
外科は、以前は女性が選ぶこと自体できない雰囲気があったようですし、「体力勝負だから不利ではないか」とも言われますが、今は手術機器の発達もあって、男女差を感じることはあまりありません。
特に、神戸大学の呼吸器外科は、一昨年独立してできた新しい科で、眞庭謙昌教授をはじめ先輩方が「若手の先生方が多いので、女性の先生も一緒にがんばろう」とあたたかく迎えてくださり、とても励まされています。
もし今後妊娠・出産の機会があれば、出産後も手術を続けていきたいです。女性外科医は増えていますが、子育てしながら手術して、というのは現実的にはとても大変なようです。以前のように働けなくなり、他の先生方にものすごく迷惑をかけると思います。それでも周りの方の助けを借りながら、何とか手術を続けたい、それが目標です。
これまでの「女医の会インタビュー」を読ませていただきました。すばらしい先輩方の生き方から学び、私も次の先生が続けるよう、がんばりたいと思っています。