女性医師・歯科医師の会
女医の会インタビュー(22)子どもの成長を見守りたい
2017.08.05
女医の会インタビュー 22 子どもの成長を見守りたい
明石市 谷 順
祖父が産婦人科医で、父は外科医でした。もともと灘区の方にいたそうですが、空襲で焼け出され、手術の設備や器具もすべて焼けてしまって、明石に来たそうです。終戦直後で設備もないなか、父は地域の患者さんに異常があれば、何でも診るかかりつけ医として診療していました。小さいころからそんな姿を見て、よく話を聞いていたからか、自然と医師の道を選びました。
小児科を選んだのは、子どもが好きだったからです。子どもとおしゃべりするのが楽しくて。神戸医科大学最後の卒業生で、卒業後は医局に入り、加古川病院での勤務や出産を経て、1977年に開業しました。開業しながらの子育てはすごく大変で、あの時はよくやったなと今振り返れば思いますが、それも楽しい思い出です。
診療していて何よりの喜びは、子どもの命を助けられたときです。重篤な病気を発見して市民病院に送った赤ちゃんが、数年たって、お母さんと引越しのあいさつに来られました。見違えるほどわんぱく坊主になっていて、うれしかったですね。
いろいろな子がいました。お父さんお母さんになって、子どもを連れてこられる方もいます。時に3代目の子もいますね。女の子は看護師さんなど医療関係の仕事に、男の子は学校の教師になられる方が多いかな。小さかった子が、診察室の入り口の鴨居に頭をぶつけるほど大きくなり、小学校の先生になって。そうやって、昔診ていた子の成長を見ることができるのが面白いですね。
趣味は、絵を描くことです。忙しくてなかなか描けないのですが、最近は昼休みや夜など時間が空いたときに描いています。風景や動物など、写真をもとに色や背景をどう表現するのがいいか考えて。一番のお気に入りは、しだれ桜を描いたものかな。季節にあわせて診察室に飾っています。
絵画の鑑賞も好きです。明石支部で毎年バスツアーを企画し、美術館や展覧会とおいしい食事を組み込むようにしています。たくさんの方が参加してくださって、私の趣味を通して少しでも協会のお役に立てたならば、うれしいです。