女性医師・歯科医師の会
女医の会インタビュー(28)目標は「行きたくなるクリニック」
2020.01.05
目標は「行きたくなるクリニック」
尼崎市 木村 祐子
昨年7月、武庫之荘に糖尿病内科を中心としたクリニックを開業しました。
私はもともと医師を目指していたわけではありません。医学部に進学してからも、その選択が自分に合っているのか分かりませんでした。けれど、人と接することが好きだったので、医師になれて本当に良かったと思っています。
開業もはじめから考えていたわけではありません。長年糖尿病専門病院で勤務する中で、自分のやりたい医療を実現させたい気持ちが強くなり、色んなご縁もあり開業に踏みきりました。
糖尿病の治療には患者さんの生活全般の改善が重要です。一人ひとりに合わせ、運動と食事面でのサポートを行いたいと、スタッフと日々奮闘しています。本来、好んで受診してくる患者さんなんていません。受診を億劫に思う患者さんにとって「行くのが楽しみになるクリニック」を目指しています。
開業の半年後にクリニックのすぐ近くに、別の仕事をしていた弟の力を借り、デイサービスとスタジオを開設しました。患者さんが運動してもらえる場にしています。ゆくゆくは食堂も開設し、食事面もフォローできるトータルサポート体制を目指しています。受診しない日もスタジオに運動に来たり、食堂に食事に来てもらうことで、地域住民の方々の健康維持のお役に立ちたいと思っています。
栄養外来にも取り組んでいます。病気ではないはずなのに体調がすぐれず困っている方がたくさんおられます。そういう方は栄養不足であることが多く、不足している栄養素をつきとめ、補うことで体調を改善していくことができます。女性や子どもさんにも気軽に相談に来てもらいたいですね。
今回は女医の会のインタビューということですが、「女医だから」と特別に意識することはありません。それぞれの状況があると思いますが、今はやりたいことが形にできる環境が整った時代になってきていると思います。若い先生方も、せっかく医師になったのだから、我慢せずにやりたいことをやり遂げるよう頑張ってもらいたいと思います。
保険医協会にはとてもお世話になっています。学術研究会は幅広く他科の勉強もできるのでありがたいですし、勤務医時代には触れることがなかった税務経営や雇用管理といった研究会もとても参考になります。これからも多種多様な研究会企画を楽しみにしています。