女性医師・歯科医師の会
女医の会インタビュー(29)バスケットボールに夢中
2020.04.25
バスケットボールに夢中
洲本市・歯科 納 千富
地元・洲本で開業して今年で30年になります。長く通って下さる地域の患者さんが多く、「ありがとう」と言われるのが、本当に嬉しいですね。
父が歯科技工士で、自宅でこつこつと技工物を作っている姿を、小さな頃から見ていました。私自身はもともと歯科医師になろうと思っていなかったのですが、父の勧めで進学を決めました。大学で島外に出て、もう戻りたくないと実は思っていましたが、父の強い望みで、卒後2年間の勤務を経て、開業することになりました。
保険医協会には、開業当初からお世話になっています。資金の相談や保険請求など、なんでも気軽に相談でき、非常に助かりました。今も、協会の研究会は、知識のブラッシュアップの機会として、毎回参加するようにしています。医療安全や院内感染対策の講習も、受講するたびに新たな発見があり、役立ちます。神戸までバスで楽に行けて、リフレッシュにもなります。協会には今のままのスタンスで、がんばっていただきたいと思っています。
4月からの診療報酬改定で、歯科疾患管理料の長期管理加算が新設され、経営的には少しプラスになるかなと思っていますが、その分、患者さんの負担は上がってしまう。年金生活の方が多いので、今でも負担が重いのにと気になります。協会の患者負担引き上げの中止を求める請願署名を、患者さん全員に受付でお願いしていて、ほとんどの方が協力してくれます。
趣味はバスケットボールです。中学・高校と部活に入り、その後離れていたのですが、30代後半のとき、社会人のチームに出会いました。淡路島内でリーグがあるんです。週に1日か2日は必ず、近所の中学校の体育館に行き、練習しています。3人の子どもも就職や進学で家を離れ、時間ができたので、他のチームでも練習があれば参加しています。練習量ではだれにも負けません。
7年ほど前、近畿大会まで行ったとき、試合中に後十字靭帯を切ってしまいました。松葉杖をつきながら診療しましたが、これまでの人生で一番痛かったですね。でも、絶対復活してやるという気持ちでリハビリに打ち込みました。
バスケはすごくしんどいのですが、それが楽しい。他の事を何も考えずに集中でき、ストレス発散になるのだと思います。
今は、新型コロナの感染防止で、さまざまな活動が制限されていますが、収束後にはまたこれまで通り、患者さんを診て、バスケをしていきたいですね。
これまでを振り返ると、ずっと母に支えられてきました。3人の子どもの世話も任せきりで、医院も手伝ってくれ、80歳を超えた今でも電話応対などしてくれています。本当に感謝しています。これから母に少しでもお返ししたいと思っています。