女性医師・歯科医師の会
女医の会インタビュー(33) 栄養を意識して患者さんを診察
2023.08.07
栄養を意識して患者さんを診察
中央区・歯科 藤原 めぐみ
診療では、歯だけでなく全身状態やその方の生活から患者さんを診ることを大事にしています。虫歯の数や歯肉の色、さらに手や肌の感じも診療の中で見て、生活や食事についてもできるだけお話ししようと心がけています。
コロナの自粛要請を受け、受診を控えてしまっていた患者さんはやはり健康に影響が出ていて、家から出ていないことで身体が弱り、話をしないと口も乾いていますので、「動いて、おしゃべりして」とアドバイスしています。
また、健康には栄養状態が重要ですので「レバーは食べてる?」などと聞き、足りない栄養を摂るよう伝えたり、自分で摂ってよかった食品やサプリメントも紹介しています。
栄養を意識するようになったのは、私自身の経験がきっかけです。1人目の妊娠中、妊娠性痒疹で身体がかゆく本当につらい思いをしました。出産後、栄養療法を行っている医師の先生に、鉄不足だったこと、鉄不足だと皮膚の状態が悪くなるということを教えていただき、2人目の出産ではもうあんな経験は絶対いやだと、鉄や亜鉛、蛋白質など栄養をしっかり摂るようにしたら、全く痒疹にならなかったのです。
2人の子どもは今は小学生ですが、出産時は開業していましたので出産前日まで働き1週間くらいで復帰しました。仕事をしながらの乳幼児の子育ては大変で、1人目のときは母や妹に協力してもらいましたが、非常に疲弊してしまいました。2人目のとき、このままでは無理だと思い、夫に仕事をやめて家のことやクリニックの経理などを担当してもらうようになって、生活が落ち着きました。多くの男性の先生と逆の分担ですね。
もともと開業した理由の一つは、勤務していた歯科医院は決して規模が大きくなく、産休・育休をとるのは申し訳なく、開業した方が出産や子育てのなかでも自由に働き方が決められると考えたことがあります。リスクも大きい決断でしたが、結果的にはよかったと思っています。
ただ、皆が同じようにできるわけではありません。今、当院で働いていただいている先生はつわりがひどく、出産前に仕事を辞められたそうです。女性の歯科医師が増えている今、安心して休める制度が必要ですが、少ない診療報酬のもとで歯科医療機関にその負担は厳しく、国に産休・育休などの保障を拡充してほしいと感じます。
忖度せず声を上げる協会は貴重な存在
この間、オンライン資格確認義務化・保険証廃止の問題で、医師会・歯科医師会なども推進するなか、保険医協会は最初から反対の声を上げておられますね。今の制度で困っていないのになぜ変えなければいけないのかといえば、利権が絡んでいるからでしょう。利権や体制にのまれず声をあげていただいていて、大変ありがたいと思っています。研究会も企業の意向に左右されない内容ですし、新型コロナワクチンの有効性や後遺症の問題も取り上げられていて、自由に議論ができる場として大変貴重だと感じています。