兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

専門部だより

環境・公害対策部だより

尼崎石綿裁判クボタに反論

2011.03.25

 旧クボタ神崎工場周辺で環境暴露によるアスベスト(石綿)被害で中皮腫を発症・死亡し、クボタと国に謝罪と損害賠償を訴えている山内康民氏らの第20回公判が3月1日に神戸地裁で行われた。4日には、クボタの下請け会社で石綿の運搬作業に従事し、石綿による死亡が判明した山本美智子氏らの労災型裁判の第7回公判も開催された。
 それぞれの裁判は、協会尼崎支部も参加する「アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会」(会長は船越正信・尼崎医療生協理事長)も支援している。
 公判では、「旧神崎工場からの飛散はありえない」と主張し続けているクボタに対し、原告側は6人の陳述書を提出。「麻袋は使い古しで破れやほころびがあり、荷役作業中から大量に飛散していた」「高濃度の石綿が工場に充満しており、窓は開けっ放し、扇風機で排出していた」と、荷役作業当時の写真や元従業員、出入り業者、周辺住民の証言をもとに指摘した。
 次回公判は、山内氏らが5月11日、山本氏らは同13日に行われる予定。

労災の時効、
納得できない

 肺がん発症当時、石綿とは認識されず、その後労災の認定はされたものの休業補償は2年の時効を過ぎていたとの理由で不支給とされた松本博氏の行政訴訟は、2月17日に本人尋問が行われた。
 松本氏は「ホコリの危険性やマスク着用の注意もなかった。手鉤を使って袋を運び破れることもあったが、中身は綿の一種かと思った」と、神戸港で荷役をしていた当時の状況を説明。「97年に肺がんで手術し働けなくなり、06年になって原因が石綿と言われ健康管理手帳を取得した。労災の時効の理由は納得できない」と訴えた。5月12日に結審予定。

勤務医部会だより 共済部だより 税経部だより 歯科部会だより 政策宣伝広報委員会だより 環境公害対策部だより 国際部だより 薬科部だより 保険請求Q&A 審査対策部だより 文化部だより 女性医師・歯科医師の会 融資制度のご案内 医療活動部だより