環境・公害対策部だより
大飯原発再稼働に反対する緊急抗議声明
2012.06.15
野田内閣の関西電力大飯原発の再稼働に向けた動きに対し、当会は緊急抗議声明を表明し、6月4日、首相をはじめ、関係閣僚に送信した。
大飯原発の再稼働に断固反対する
-関西広域連合の再稼働容認は、国民に対する裏切り-
兵庫県保険医協会理事長 池内 春樹
関西電力大飯原発3・4号機の再稼働に対して関西広域連合は、「暫定」との政府の言質を受け入れ、事実上の容認に転じ、野田政権は再稼働を決定しようとしている。
しかし、福島第一原発事故原因の究明・検証は進んでおらず、中身のない「安全宣言」をふりかざして暴走する野田内閣の実態は何一つ解決していない。関西広域連合の転換は、国民に対する裏切りである。
野田内閣が急ぐべきことは、民主的な規制庁の発足であるにもかかわらず、設置関連法案は国会審議が始まったばかりである。
電力の供給不足を理由に、経済界は再稼働を求めているが、本当に電力不足になるのかについても十分な検証がされておらず、関西電力の主張を丸のみにしているだけでは、到底、国民の納得は得られない。
一旦、稼働すれば、それはただちに放射性廃棄物を大量に作り出すことになる。大飯原発で万が一原発事故が起こった場合、近畿の水がめ・琵琶湖が汚染されるなど、兵庫県へも深刻な影響が及ぶことは明らかである。経済活動は大事だが、命の安全保障に代わりうるものでは決してない。
やるべきことをやらないまま、新たな「安全神話」を押し付ける大飯原発の再稼働は断じて認められない。われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、関西電力大飯原発3・4号機を再稼働しないことを断固として要求するものである。