環境・公害対策部だより
姫路市夢前町・最終処分場建設レポート
2012.07.25
見て見ぬふりはできない
夢前町の産廃処分場建設問題に関して、現地集会に参加した山中忍評議員のレポートを掲載する。
4月、協会環境・公害対策部会に、姫路市夢前町に甲子園球場の10倍もの面積を有する西日本第一級の安定型(廃プラスチックやがれき含有)産業廃棄物最終処分場が建設されるとの情報が入ってきた。
時を同じくして、全国各地では震災がれき受け入れ問題が浮上中であった。
私は5月12日に行われた夢前町での緊急集会と6月10日の「夢前町の自然を愛する会」の大集会とデモに参加し、取材を行った。
6月10日は、約570人が夢前川の河川公園に集まり、「産廃はいらない!」と声を上げられていた。
姫路市議会議員の山本博祥・入江次郎両議員を中心に反対署名を集める運動が展開されていた。工事が目前に迫っているにも関わらず、この建設計画は、地元の夢前町や姫路市の方にはほとんど認識されていない事象であった。
予定されている産廃処分場は、非放射性物質産廃であるが、放射性のある震災がれきが混入する可能性は否定できない。有毒物質は放射性物質だけではない。
廃プラスチックなど安定的とされる5品目を埋め、安全とされる安定型産廃最終処分場だが、発がん性トリハロメタンなど、過去に危険な有害物質の漏洩事件が出ているのが現実であり、漏れると夢前の自然や企業は終焉となる。
夢前町は大変風光明媚な美しい自然を有する町であり、清らかな清流を利用してヤマサ蒲鉾などの会社が運営され、川は水深が浅く昔の風景のように子供たちが自由に楽しく安全に泳いでいた。
小豆島の無駄ダム、地方に乱立する過剰で安全ではない原発施設…その上、日本にはゴミ処理の問題が、瀬戸内海・豊島を代表として、たくさん存在している。
その全てが地方犠牲である。都会人の見えないところで日本の闇の隠された重大な問題が存在している。見て見ぬふりをしていると日本はもう最悪の状況となるだろう。
【灘区 山中 忍】