環境・公害対策部だより
「エネルギー・環境に関する選択肢」に対するパブリックコメント
2012.08.01
兵庫県保険医協会は、 国のエネルギー・環境会議が募集している「エネルギー・環境に関する選択肢」へのパブリックコメントとして、以下の意見を送付した。
協会の先生方からも、ぜひパブリックコメントの提出をしていただきたい。
(「パブリックコメントを提出しよう」のページにリンクします)
意見の概要
選択肢① 0%シナリオを支持し、イ)原発からのすみやかな撤退と使用済み核燃料廃棄物の安全な処理・保管技術と原発廃炉技術の開発・実施、ロ)放射能健康被害への研究の充実、ハ)福島原発事故の放射能汚染による世界的健康被害の最大限の抑止、ニ)核燃料サイクルの放棄とヘ)再生可能エネルギーの拡充を求める。
理 由
福島第一原発事故により、地震大国日本で原発を稼働させることの危険性は明らかになった。事故原因の究明もできず安全性が確保できていない上、使用済み核燃料と核廃棄物処理技術がまだないという原子力発電を、これ以上使用し続けることは許されない。
2030年までではなく、できるだけ早期に原発0%を実現することを目標とし、再生可能エネルギーの開発、普及に転換すべきである。
「20~25%シナリオ」は、震災以前の原子力推進の維持を意味し、論外である。「15%シナリオ」は、既存の原発すべてを40年間運転し続けることで達成されるもので、原発の40年超の運転や新規原発建設も行われる可能性を含んでおり、原発に依存するシナリオであることに変わりはない。
加えて、「15%」や「25%シナリオ」は、技術的に展望がないまま莫大なコストをかけ、危険なプルトニウムを作り出す核燃料サイクルの維持が含まれている。核燃料サイクル政策はただちに放棄すべきである。
原発をはじめとする原子力関連エネルギーは取り返しのつかない環境汚染と莫大な人的経済的損失を引き起こす可能性を今後も多分に含んだとても容認できる代物でないことは明らかである。
以上より、当会は、原発からのすみやかな撤退と、再生可能エネルギーの拡充を求め、選択肢のなかでは①0%シナリオを支持する。