環境・公害対策部だより
環境・公害対策部 地熱エネルギー学習会感想文「エネルギーは地産地消で」
2013.06.15
環境・公害対策部は6月1日、新エネルギー学習講演会を開催。九州大学名誉教授で前日本地熱学会会長である江原幸雄先生を講師に招き、「地熱エネルギー利用の現状と今後の展開」について聞いた。医師、歯科医師、市民ら51人が集まった。参加者の感想文を掲載する。
人類を囲むエネルギーは大別して次の四つに分類できる。
①太陽エネルギー、太陽光はもとより大気循環による風力、水力、化石燃料である石炭、石油、LNGなど、②月の引力による潮汐、③地熱、④原子力である。
④の原子力は人類がパンドラの箱を空けた代物(しろもの)で、神の許しを受けてない、問題外である。③の地熱であるが、わが国は地熱資源はきわめて豊富で、米国、インドネシアに次いで世界第3位の地熱資源大国である。
発電量に換算して2000万kW(原発20基相当)以上のポテンシャルがあるが、国の規制で50万kWしか利用されていなかった。
福島原発事故の後、原発は稼働せず、円安の今日、海外から高価なLNGを輸入し、貿易収支も赤字になっている。今後、米国からシェールガスに基づくLNGをさらに輸入しようとしているが、国家の安全のため、食糧やエネルギーを米国に多く依存するのは危険きわまりない。
ところで、ノーベル文学賞を受賞した、ベルギー人劇作家Maeterlinckの「青い鳥」をご存知と思う。チルチルとミチルの兄妹が幸福を象徴する青い鳥を探して、さまざまな国を夢の中で遍歴するが、見つからず目が覚めて、幸福の青い鳥は枕元の鳥かごの中にいたという童話劇であるが、日本の政府のエネルギー政策を風刺している。
地熱発電の立地が国立公園のなかにあるため設置が困難、温泉源が枯渇する、景観に悪い影響があるという課題があるが、国は瀬戸内海国立公園内に多くの埋立地を作り、臨海工業地帯を作ってきたではないか? この点も国の政策が欺瞞に満ちていたとしか思えない。
一方で、国立公園内に大気汚染物質や公害が発生する工場を誘致して、他方再生可能な天候に左右されない地熱発電を変な法律で規制してきた。エネルギー問題は政治問題である。
食糧やエネルギーは地産地消で!
【明石市 永本 浩】