環境・公害対策部だより
震災・原発事故避難者健診「被ばくへの不安受けとめる」
2013.09.05
東日本大震災・福島第一原発事故により兵庫県に避難している人を対象とした健康診断が、兵庫県民主医療機関連合会(民医連)の主催で尼崎医療生協病院で実施され、福島県などから避難している13家族40人が、甲状腺エコーや血液検査などを受けた。
被ばくによる健康被害への不安や避難によるストレスを抱える被災者を支援しようと企画されたもの。民医連からの支援要請を受け、協会の池内春樹理事長(写真上)と辻一城理事(写真下)が小児科の診察を行い、親子の抱える不安や悩みに耳を傾けた。参加者の参加記を掲載する。
8月18日(日)、兵庫県民医連主催の第1回避難者健康診断に池内理事長と事務局と共に参加しました。これは、先の震災の被災者で原発事故による被曝も経験され、兵庫県に来られた方々を対象に、県民医連が健康管理に協力するという趣旨の健診です。
尼崎医療生協病院を会場に13家族40人の方々が受診されました。当日は、内科、小児科の医師5名、看護、検査、事務スタッフに加え、子供たちが退屈しないようリクリエーションスタッフなど総勢50人を超える方々が参加しました。
健診内容は、通常の検査項目に加え、エコーを含む甲状腺関連の検査も行い、健診がスムーズに進むよう時間をずらして来院してもらい、朝9時開始、午後2時半終了の予定で行われました。
県連の方が綿密に計画されていましたが、スタッフの多くは、当日初対面の混成チームです。私は小児科の診察を担当しましたが、診察したすべての家族が、兵庫県に落ち着くまで、複数の場所を移動されていました。親御さんたちは皆さん、子どもの今より将来の健康被害に不安をお持ちでした。
対象者よりも多いスタッフ陣のチームワークで、健診は順調に進み、私もゆっくりと診察し、親御さんたちの質問にも時間をかけてお答えできました。参加スタッフの一人として、不慣れな土地に来られ健康不安を持たれている被災者の方々のお役に立てたなら嬉しく思います。また、このような取り組みは、今後も継続していくことが重要であると感じています。