環境・公害対策部だより
火力発電所問題全国交流集会 感想文
2014.11.25
石炭火力発電所が抱える数々の問題点
森岡芳雄理事が世話人代表をつとめる「石炭火力発電所問題を考える市民ネットワーク」と火力発電所問題全国連絡会は11月1日、協会会議室で、全国交流集会を開催し、32人が参加。協会から、森岡・山中両理事が参加した。神戸製鋼の灘区の高炉跡への140万kWの石炭火力発電所増設計画を受け、増設反対運動スタート集会としても位置づけられ、森岡理事が「神鋼石炭火電と健康被害」について、NPO法人気候ネットワーク東京事務所長の桃井貴子氏が「日本がとるべき気候変動・エネルギー政策」について、それぞれ講演した。11月9日に行われた灘区での反対集会にも参加した山中理事の感想を紹介する。
石炭火力発電の増設は、「原発をなくしていくための代替エネルギーとして必要となるのでは」と考えていましたが、窒素酸化物や硫黄酸化物による大気汚染や水銀排出などの環境負荷が大きく、アレルギー体質や未発達の小児などに健康被害を与える懸念があること、環境調査データを偽装するような神鋼の企業体質があること、温室効果ガス排出量が多く、アメリカでは石炭火力発電所増設が事実上禁止されていることなど、数々の問題点を教えていただきました。
森岡先生を中心にして、地元の問題は、環境・公害対策部を中心に取り組んでいくべきと愚考しております。
私がダム建設反対運動に関わった小豆島もそうですが、やはり神鋼石炭火力発電問題でも、大気の汚染調査も明確に行われていないようです。大学など専門施設に協力していただいたり、あるいは個人でも何らかの方法で、大気汚染の実態調査が求められていると思いました。
学校健診も含めた学童の毛髪検査等、大気汚染・水銀汚染・放射性物質などの子どもへの影響調査など、現実には難しいかもしれませんが、検討すべき課題だと思います。
神戸での再生可能エネルギーは、六甲山や明石海峡などでの風力発電や海流発電の可能性はゼロではありませんが、今現在の可能性は低いことを、灘区の集会で講演された神大客員教授・河野仁先生の講演から再認識しました。
太陽光に加え、有馬や湯村温泉での温泉・バイナリー発電の情報などを神鋼石炭火力発電反対派に提供できれば、勇気を与えることが可能だと思いました。
【灘区 山中 忍】