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公害型・尼崎アスベスト訴訟 クボタの賠償責任が確定 

2015.03.05

最高裁が原告・被告双方の上告認めず

 尼崎市内のクボタ旧神崎工場周辺で中皮腫を発症し死亡したとして、2遺族がクボタと国を相手に謝罪と損害賠償を求めていた裁判で、最高裁判所は2月17日付で、原告、被告双方の上告を認めない決定を行った。これにより、昨年3月の大阪高等裁判所の判決が確定し、1遺族との関係でクボタの責任が確定するとともに、もう1人の遺族との関係でクボタの責任が否定された。
 大阪高裁判決は、全国で初めて環境曝露による企業の責任を認めた画期的な判決であり、最高裁もこれを認めた。クボタは周辺住民への責任を認めて謝罪すべきである。一方で、高裁判決はクボタの責任範囲を工場から300m以内に限定したが、周辺住民の被害は増加の一途をたどっており、その範囲は1500mを優に超えている。最高裁決定はこの事実を無視し、高裁決定を是認した。
 また、最高裁決定は、国の責任を否定した高裁判決を是認した。国は周辺住民への飛散防止規制を怠っており、責任は明白である。
 アスベストの被害はこれからが本番である。協会尼崎支部も参加する「アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会(会長・船越正信尼崎医療生協理事長)」では引き続き、国とクボタの責任を求めて運動を強めていくので、ご支援をお願いしたい。

※尼崎アスベスト訴訟は、上記公害型と労災型の二つの裁判をたたかっている。3月23日に判決が言い渡される、労災型・尼崎アスベスト裁判は、クボタ旧神崎工場内などで死亡した労働者の遺族が、国とクボタを相手に提訴した裁判。ぜひ傍聴にご参加ください。

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