環境・公害対策部だより
「こうべバイオガス」見学会 参加記
2015.04.15
下水は貴重な資源
環境・公害対策部、文化部は3月21日、「こうべバイオガス~アーモンドの花咲く 東灘下水処理場へ~」を東灘処理場で開催し、31人が参加。神戸市建設局職員の案内で、下水処理やバイオガス精製過程などを見学し、エネルギー・資源再利用の可能性を学んだ。延沢彰先生の感想を紹介する。
20年前に阪神・淡路大震災に被災し、完全に機能が停止した東灘処理場が、いかに復旧できたか、まずその道のりについて紹介がありました。
そして、東灘処理場が汚水・汚泥の処理後、きれいな水を海へ流すだけではなく、
汚泥の焼却灰がレンガやセメントの原料として用いられること、汚泥からメタン生成を行うこと、さらに、六甲山の間伐材からなるグリーン有機物や食品・スイーツの廃棄物からなるスイーツ有機物を添加し、ガス発生量の増加を行うこと、そしてそこから「こうべバイオガス」を製造していることが紹介されました。
このガスが実際に神戸市の路線バスに利用されたり、都市ガスの一部に利用されたりしていることも知りました。ガソリンを使う自動車と比べ、このガスを用いる自動車は二酸化炭素の排出量を削減でき、地球温暖化の抑制に貢献できると考えられます。
また、汚泥からリンが回収され、それが農作物の肥料として利用できることも学びました。
したがって、下水は環境を守るための貴重な資源であり、東灘処理場がその重要な役割を担っていること、またその地道な研究や、技術の高さに非常に感銘を受けました。
施設見学の最後には、アーモンド並木の美しい花々を皆で愛でながら帰ってきました。この日は春分の日にふさわしく小春日和で気候もよく、とても気持ちのよい見学会となりました。
【東灘区 延沢 彰】