環境・公害対策部だより
クボタショックから10年学習・署名活動スタート集会
2015.08.05
アスベストは過去の問題ではない
協会尼崎支部も参加する「アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会」(会長・船越正信尼崎医療生協理事長)は7月12日、尼崎市立小田公民館で「クボタショックから10年 学習・署名活動スタート集会」を開き、114人が参加した。集会では、大阪高裁での労災型訴訟勝訴のために、公平・公正な判決を求める署名に5万筆を目標に取り組むことが確認された。
あいさつに立った船越会長は「クボタ旧神崎工場内外でアスベストによって中皮腫や肺がんによる死亡が判明した『クボタショック』から10年が経過した。公害型訴訟では最高裁判所がクボタの責任を認定し、賠償金の支払を命じた。クボタは賠償金を振り込みはしたものの一切謝罪を拒否している。国とクボタの責任を認めさせることが被害拡大の防止対策につながる。運動を強めよう」と訴えた。
神戸新聞東京支社編集部長の加藤正文氏が、「過去・現在・未来の『声なき声』に耳を傾けて」をテーマに記念講演を行った。加藤氏は「この10年間で旧神崎工場の周辺住民・元従業員435人が死亡している。アスベスト被害は10数年から50年を経て発症する『複合型ストック公害』だ。阪神・淡路大震災と東日本大震災での瓦礫処理を見ても、今後も被害は続く。アスベストは過去の問題ではない」と述べた。
集会は最後に、八木秀満協会尼崎支部長が兵庫県保険医協会での取り組みを紹介し「選挙での投票と署名運動は国民が意思表示をする場として重要だ。労災型アスベスト署名、5万筆を集めよう」と閉会あいさつを述べ、締めくくった。