環境・公害対策部だより
尼崎アスベスト裁判(労災型) 第一回控訴審
2015.10.05
「私たちの主張受けとめて」遺族が意見陳述
尼崎アスベスト訴訟(労災型)の第1回控訴審が9月7日、大阪高等裁判所で開かれた。
この裁判は、溶接工と、クボタ旧神崎工場にアスベストを搬入していたトラック運転手が、それぞれアスベスト曝露が原因で肺がんに罹患して亡くなったことについて、規制を怠った国、安全配慮義務を怠ったクボタに対して遺族が賠償を求めているもの。協会尼崎支部もこの裁判を支援する「アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会」に加盟し、協力してきた。
一審の神戸地裁判決では、低濃度のアスベスト曝露によって重大な健康被害が生じるとの医学的な知見が確立していなかったなどとして、国とクボタの責任が認められなかった。
第1回控訴審では、遺族2人が「アスベスト曝露により主人は苦しみながら亡くなった」「裁判所は私たちの主張をしっかり受け止めてほしい」などの意見陳述を行、国、クボタの加害責任を訴えた。
報告集会では、同会の会長を務める船越正信先生(尼崎医療生協理事長)が「この裁判での勝利が全国のアスベスト被害者の救済につながる」、八木秀満協会尼崎支部長が「5万筆を目標に、労働者のいのちと健康を尊重する公平・公正な判決を求める署名を集めよう」と訴えた。