環境・公害対策部だより
石炭火力発電問題を考えるフォーラム
2015.11.25
健康被害・CO2増につながる火発増設中止を
兵庫県内で6基の石炭火力発電所の建設計画が明らかになっていることに対し、地球温暖化防止に取り組むNPO法人気候ネットワークが中心となり、協会などの協力で11月10日、石炭火力発電問題を考えるフォーラムが、神戸市内で開催された。「温暖化対策の危機を乗り越える~兵庫の石炭火力発電所の新設をめぐって~」をテーマに、会場いっぱいの50人超が参加した。
パネルディスカッションでは協会の森岡芳雄環境・公害対策部長(副理事長)が「石炭火力発電所と大気汚染健康被害」をテーマに発言。「大気汚染によってアレルギー疾患は出やすくなり、免疫機能が未熟な小児は特に大気汚染の影響を受ける。県内で6基も石炭火力発電所を新設すると大気汚染源が増え、アレルギー疾患の患者は増えることになる。石炭火力発電所は新たにつくらせないこと、既存施設も廃止するよう求めていくことが大切だ」と強調した。
気候ネットワークの山本元研究員は「欧米では石炭火力発電所の建設にブレーキをかけ始めた一方で、日本は、2030年の電源構成比率を決めた『長期エネルギー需給見通し』において、石炭火力・原子力発電をベースロード電源として位置付け、石炭火発・原発回帰を進めている。石炭火発はCO2排出量が多く、健康影響上も望ましくない。太陽光、風力などの再生可能エネルギーの普及を促進・支援するべきだ」と訴えた。
他に、神戸大学大学院法学研究科の島村健教授が「環境アセスメントの問題点」、市民が作った太陽光発電所である宝塚すみれ発電所の井上保子代表が「再生可能エネルギーでまちづくり」をテーマとして、報告を行った。