環境・公害対策部だより
1次冷却水漏れが起こった高浜原発4号機の 再稼働中止と3号機の稼働中止を求める
2016.02.27
1次冷却水漏れが起こった高浜原発4号機の
再稼働中止と3号機の稼働中止を求める
2016年2月27日
兵庫県保険医協会
第1034回理事会
関西電力は2月20日、再稼働の準備を行っている高浜原発4号機の建屋内で、放射性物質を含む1次系の冷却水約34リットルが漏れたと発表した。関西電力は22日になって、脱塩塔のうち1カ所へ通じる配管の水の流れを制御する弁の取り付けボルト4本のうち1本の締め付けが緩く、隙間(すきま)から水が漏れたことが原因であったと発表した。ボルトの締め具合は2008年8月〜09年1月の定期検査以降点検されておらず、点検の際の分解後のボルト締め付けが不十分だったとされている。さらに再稼働前の点検対象に含まれていなかった。
高浜原発4号機は2010年4月にも1次冷却水漏れを起こしている。すでに稼働中の高浜原発3号機も同様の構造であり、いずれも運転開始から30年が経過した「老朽原発」である。さらに停止後約4年が経過しており、停止に伴う設備の劣化の可能性によることも指摘されている。
これまでの施設管理の未熟さと経年劣化や停止期間の影響を考慮しない「再稼働ありき」の審査と点検であったことが露呈したにもかかわらず、なお、その場しのぎ的な対応で済ませ、再稼働につき進む安全軽視の現状は看過できない。
われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、直ちに関西電力に高浜原発4号機の再稼働準備と、3号機の稼働中止を求めるとともに、政府に対し、原子力規制委員会が行った新安全基準による審査が非常に不十分なものであることを認め、すべての原発の再稼働、新増設を中止するように政策転換することを求める。