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【声明】全ての原発で基準地震動をあらためて策定するよう求める

2016.07.09

2016年7月9日

すべての原発で基準地震動を

あらためて策定するよう求める

  兵庫県保険医協会

第1041回理事会

 原子力規制委員会は6月20日、元規制委員長代理の島崎邦彦東京大学名誉教授が過小評価の恐れがあると指摘していた関西電力大飯原発で、想定する地震の揺れを再計算することを決めた。島崎氏は、大飯原発などで震源の大きさを推定する際に用いられた「入倉・三宅式」という計算方式について、垂直に近い断層面に適用する場合、過小評価になると指摘し、熊本地震で得られたデータをもとに再検討したところ、地震の規模も断層のずれ量も実際と比べ「おおざっぱな計算でも(基準地震動が)50%増しになる」と述べている。

 地震研究においては、いまだ分かっていないことが多く、地震の観測網が整ったのは阪神・淡路大震災後である。陸地の深さ15キロ程度の浅い場所でマグニチュード(M)7クラスの大地震を近年に観測しえたのは熊本地震だけであり、データも少ない。日本は地震大国であり、すべての原発において、今回の熊本地震のようなタイプの大地震に見舞われることを想定し、基準地震動をあらためて策定する必要がある。

 われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を産出し続ける原発の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。

 原子力規制委員会は島崎氏の意見を取り入れ、早急にすべての原発で新たな予測式であらためて計算し、基準地震動を策定するよう求める。

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