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【声明】核燃料サイクルを断念するよう政府に求める

2016.10.22

核燃料サイクルを断念するよう政府に求める

  兵庫県保険医協会

第1047回理事会

 政府は9月21日、高速増殖炉「もんじゅ」について、廃炉を含め抜本的に見直しを行うことを決めた。

 「もんじゅ」は、1兆円超もの国費を投入しながら、事故やトラブルが相次ぎ、計20年間も運転停止しており、廃炉は当然である。

 しかし、政府は、核燃料サイクルに固執し、使用済み核燃料から取りだしたプルトニウムを現在の原子力発電所(軽水炉)で使うという危険なプルサーマル発電を進めるとともに、高速実験炉「常陽」の再稼働、高速炉「ASTRID(アストリッド)」の日仏共同研究など、もんじゅに代わる新たな高速炉の研究開発を続けるとしている。

 米国や英国、ドイツなど諸外国でも、高速増殖炉は、技術的に困難であることや採算が取れる見込みがないことなどから、すでに90年代には研究・開発が中止されている。フランスも98年にトラブルが多発した実証炉を停止し、研究は進んでいない。核燃料サイクルの破綻は明らかである。

 われわれはいのちと健康をまもる医療者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を産出し続ける原発の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。政府は「もんじゅ」を廃炉にするだけではなく、高速炉開発を断念し、高コストで危険性の高いMOX燃料の生産を中止し、「プルサーマル」を含めた一切の「核燃料サイクル」政策を放棄し、現存するプルトニウムの処分技術の開発を行い、エネルギー政策を「原発ゼロ」に転換するよう求める。

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