兵庫県保険医協会

原発の再稼働をやめ、すべての原発で

徹底調査および調査を公表するよう求める

兵庫県保険医協会

第1052回理事会

　中国電力島根原発２号機で中央制御室の空調換気配管の保温材をはがしたところ、腐食による、最大横約1メートル、縦約30センチメートルにもなる多数の穴が見つかった。

　また、全国の商用原発42基のうち40基で保温材をはがした点検を実施していなかったことも明らかになった。これでは腐食穴を見つけることは不可能である。中国電力は「海に近いため塩分を含んだ空気が配管に流れ込み、腐食が進んだ可能性がある」と説明しているが、これはどの原発でも同じである。40基の中には、稼働中の川内原発や伊方原発も含まれており、配管に穴があいた状態で稼働している可能性がある。

　原子力規制庁が行っている新規制基準による審査は、机上の書類審査でしかなく、原発の安全を保障するものではないことが、改めて明らかとなった。

　われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。

　電力各社には原発の再稼働をやめ、全原発を徹底的に調査し、その調査方法・過程・結果のすべてを公表することを、原子力規制委員会には調査を監視・評価し、すべてを公開すること、規制基準・点検項目を見直すことを求める。