環境・公害対策部だより
【声明】今村復興大臣の発言に抗議し、 辞任を求める
2017.04.22
内閣総理大臣 安倍晋三 殿
復興大臣 今村雅弘 殿
今村復興大臣の発言に抗議し、辞任を求める
兵庫県保険医協会
第1057回理事会
今村雅弘復興大臣は、4月4日、記者会見において、福島原発事故による「自主避難者」への国の対応についての記者の質問に対して、「本人の責任だ」「裁判でもなんでもやればいい」と発言した。今村大臣の発言は、原発事故に対する国の責任を放棄する暴言であり、断固抗議する。
居住許容の放射線環境基準を20mSVに引き上げた上で、被災者の帰還を国は推し進めている。帰還の基準とすべきは国際環境基準である1mSV以下であり、現状で帰還するかしないかの判断は、被災した避難者にゆだねられて然るべきである。
「自主避難者」が現在故郷を離れざるを得ないのは、国策として推進した原子力発電所の事故によるものであり、国が事故の責任を取って被災者に対して補償することは当然のことである。会見の場で「本人の責任だ」と発言した今村大臣には復興大臣の資格はない。
政府は「自主避難者」への唯一の支援策である住宅の無償提供を3月31日いっぱいで打ち切り、自主避難者への責任を放棄しようとしている。今村復興大臣の「自己責任」発言は単なる一大臣の失言ではなく、政府の考えそのものである。
「自主避難者」が避難を余儀なくされている理由について深く考え、ふるさとを突然奪われた被災者の痛みに寄り添うことが、福島の復興に最も大切なことであると考える。
政府は原発事故の責任と被災者の健康と生活再建について強く自覚するべきである。
われわれは命と健康と生活をまもる医療者として、今村復興大臣に辞任と、被災者に寄り添った政策への転換を国に求める。